増谷 文雄 (ますたに ふみお、1902年 2月16日 - 1987年 12月6日 )は、日本 の仏教学者 ・翻訳家 。
経歴・人物
1902年、福岡県 小倉市 (現・北九州市 小倉)生まれ[ 1] 。第五高等学校 を経て、1925年東京帝国大学 文学部 宗教学科を卒業[ 2] 。
卒業後は、浜松高等工業学校 で教職に就いた。東京外国語大学 教授、東京大学・立教大学 ・東京教育大学 の各講師、大正大学 教授、都留文科大学 学長などを務めた[ 1] [ 2] 。
研究内容・業績
著作は、角川書店 から刊行された著作集『増谷文雄著作集』全12巻にまとめられている。
原始仏教 関係では、博士論文であった「アーガマ 資料による佛伝の研究」や著書『根本仏教の研究』、親鸞 や道元 研究では『正法眼蔵 訳注』が著名である。著訳書は新装版での再刊も含めると、約80冊以上刊行されている。戦前に数冊、オックスフォード大学 の宗教学者 エストリン・カーペンター(Estlin Joseph Carpenter 1844~1927)の著作を訳しており、早くから宗教思想史 ・比較宗教学 の視点から仏教論考・仏伝 を研究していた。
NHKラジオ 等で講義や、講演を積極的に行っていた。
主な著書・編著
増谷文雄著作集 全12巻(角川書店 1981-1982年)
東洋思想
仏教とキリスト教
仏陀時代
根本仏教の研究
仏陀の伝記 資料の研究
仏陀の伝記 仏伝のこころみ
仏教概論
日本人の仏教
宗教的随想
親鸞
道元
近代の宗教的生活者
阿含経 典 全6巻(筑摩書房 1987年)→新版 ちくま学芸文庫 全3巻、2012年
「阿含経典」を読む 全4巻(角川書店 1985年)
阿含経典による仏教の根本聖典(大蔵出版 1983年、新版1993年)
根本仏教 阿含経典講義 (筑摩書房 1980年)
旧版「原初経典 阿含経」(筑摩書房「私の古典」 1970年)
無量寿経 講話 (新版 講談社学術文庫 2002年)
正法眼蔵 各・全8巻(角川書店/講談社学術文庫 . 2004-05年)
根本仏教と大乗仏教(佼成出版社 1989年)
仏教講義 根本仏教と大乗仏教の会通を語る(新版 同 2005年)
この人を見よ ブッダ ・ゴータマの生涯(名著選1・佼成出版社 2006年)
「ブッダ・ゴータマの弟子たち」を併収。初版は各講談社
親鸞の生涯、歎異抄 、親鸞の思想(名著選2・佼成出版社 2006年)
「日本の思想3 親鸞集」(編・訳注、筑摩書房、1969年)
「日本の仏教思想 親鸞」(筑摩書房、1985年)新装版
歎異抄(ちくま学芸文庫 1993年)、旧版・筑摩叢書、1968年
知恵と慈悲<ブッダ 仏教の思想1>角川書店
絶望と歓喜<親鸞 仏教の思想10>角川書店
梅原猛 と共著、新版 角川文庫ソフィア 、1996年
仏教日常辞典(金岡秀友と共編著、太陽出版)
仏陀 その生涯と思想 (角川選書 (改訂新版)、1971年、新装版1988年)、初刊は角川新書
仏陀のことば(角川選書 1971年)、新装版1988年
日本人の仏教(角川選書 1981年)
現代仏教入門(角川選書 1980年)
仏教百話(ちくま文庫 1985年)、初刊は筑摩書房:新書判シリーズ、1962年
日本の仏教10 仏祖正伝の道 正法眼蔵〈道元〉(筑摩書房 1967年)
現代人の仏教1 智慧と愛のことば・阿含経(筑摩書房 1965年)
現代人の仏教12 仏教概論(筑摩書房 1966年)
仏教とキリスト教 の比較研究(筑摩叢書 1968年、新版1985年)、旧版は青山書院ほか
釈尊のさとり(講談社学術文庫 1979年) 講演録
友情について(講談社現代新書 1974年)
業 と宿業 新しい自己の発見のために(講談社 現代新書 1979年)
新しい仏教のこころ わたしの仏教概論(講談社現代新書 1978年)
論文
参考資料
関係者による評伝に、荒木稔惠『西洋からの仏教を耕した人 明治維新と宗教、そして増谷文雄博士』(風濤社、2004年)がある。
在家仏教協会
注釈・出典