『墓泥棒と失われた女神』(はかどろぼうとうしなわれためがみ、La chimera)は2023年のアリーチェ・ロルヴァケル監督によるイタリア映画である[1]。
本作は第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞のパルム・ドールを競った[2]。
あらすじ
1980年代のイタリア、考古学愛好家であるイギリス人のアーサーはトスカーナ地方のある田舎町に舞い戻ってきた。彼は古代エトルリア人の墓を発見できるという謎の超能力を持っており、その力を利用して美術品を盗掘した罪で刑務所に投獄されていたのである。アーサーは婚約者ベニアミーナの母親フローラの屋敷を訪れる。ベニアミーナは失踪中であり、フローラもアーサーに彼女を見つけてくれることを期待している。
出所後も仲間たちとともに懲りずに埋葬品の盗掘にいそしむアーサーたち。ある晩、彼らは手つかずの状態で残されていた地下遺跡を発見する。そこには美しい大理石の女神像が眠っていた。アーサーたちはこの女神像を売りさばこうとするが、やがては闇市場をも巻き込んだ騒動へと発展していく。[3]
キャスト
製作
監督のアリーチェ・ロルヴァケルは本作を『夏をゆく人々』(2014年)、『幸福なラザロ』(2018年)に続く、我々の過去との繋がりを繙く三部作の最終作として企画した[5]。
主演のジョシュ・オコナーは監督の前作『幸福なラザロ』を観て感銘を受け、熱烈な逆オファーの手紙を送ったことがきっかけでキャスティングされた[6]。
ロルヴァケルは本作を撮る上でインスピレーションを受けた作品として以下の5作品を挙げている[7]。
評価
映画批評集積サイトRotten Tomatoesには143件のレビューがあり、批評家支持率は94%、平均点は10点満点中8.3点となっている。サイトによる批評家の見解の要約は、「『墓泥棒と失われた女神』は突飛であり得ないものを追い求めてはいるが、このアリーチェ・ロルヴァケルによる驚くべき魔法のような物語は一見に値するありえない夢である」となっている[8]。
受賞歴
外部リンク
- ^ Rohrwacher, Alice (2024-03-29), La chimera, Josh O'Connor, Carol Duarte, Vincenzo Nemolato, Tempesta, Rai Cinema, Ad Vitam Production, https://www.imdb.com/title/tt14561712/?ref_=nv_sr_srsg_0_tt_8_nm_0_in_0_q_la%2520chimera 2025年1月2日閲覧。
- ^ “The films of the Official Selection 2023” (英語). Festival de Cannes (2023年4月13日). 2025年1月2日閲覧。
- ^ “映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト”. 映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト. 2025年1月2日閲覧。
- ^ Rohrwacher, Alice (2024-03-29), La chimera, Josh O'Connor, Carol Duarte, Vincenzo Nemolato, Tempesta, Rai Cinema, Ad Vitam Production, https://www.imdb.com/title/tt14561712/?ref_=nv_sr_srsg_0_tt_8_nm_0_in_0_q_la%2520chimera 2025年1月2日閲覧。
- ^ Vivarelli, Nick (2022年2月14日). “‘The Crown’ Star Josh O’Connor, Isabella Rossellini Set for Alice Rohrwacher’s ‘La Chimera’ (EXCLUSIVE)” (英語). Variety. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “ジョシュ・オコナー、監督は「仲の良い友人であり姉のような存在」『墓泥棒と失われた女神』コメント&予告”. cinemacafe.net (2024年5月31日). 2025年1月2日閲覧。
- ^ Sciences, Academy of Motion Picture Arts and. “'La Chimera' Director Alice Rohrwacher's Top 5” (英語). Academy Newsletter. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “La Chimera | Rotten Tomatoes” (英語). www.rottentomatoes.com. 2025年1月2日閲覧。