和辻倫理学和辻倫理学(わつじりんりがく)は、和辻哲郎が展開した倫理学の体系を指す呼称。日本思想史の研究を基盤に構築された和辻の倫理学の体系は、西田幾多郎の西田哲学と並び、日本人による独自の哲学体系として21世紀に入り新たに研究されている。 分類和辻の倫理学を主題とした著作群は、大まかに言って2種の系統へと以下分類ができる。
特色和辻倫理学の特色は、以上に挙げた2つのレヴェルが渾然とからみ合い、原理的に探求された倫理学がそのまま具体的な歴史へと融合されてゆくところに求められるだろう。その特色は同時に、日本こそがもっとも倫理的な共同体であるという主張へと直結する危険もはらんでいる。 言い換えれば、和辻倫理学は、観念構成ではなくして、現実人生の実態を解釈学的に理解することが目的であったと言えるだろう。すなわち、和辻は倫理を「人間共同態の存在根柢すなわち人間存在の理法」(『倫理学』上)であると規定した。 脚注 |