『吸血鬼はお年ごろ』(きゅうけつきはおとしごろ)は、赤川次郎による日本のライトノベル。集英社文庫コバルトシリーズ[注 1](集英社)より1981年12月から刊行されている。集英社の集英社Webマガジンコバルトに、毎週金曜更新で連載中。2009年からは集英社文庫版でリバイバル発売され、集英社文庫入りした順に電子書籍化されている。コバルト文庫刊行作品では2005年1月時点で歴代1位の売上となっており[1]、2018年1月時点でシリーズ累計発行部数は971万部を記録している[2]。
イラストは、1981年の『吸血鬼はお年ごろ』から2007年の『吸血鬼は殺し屋修業中』まで長尾治が担当していたが、2008年の『吸血鬼ブランドはお好き?』からはひだかなみに交代している。さらに、集英社文庫版では表紙のイラストデザインがホラグチカヨに変わっている。
正統な吸血鬼の父を持つ主人公、神代エリカ(かみしろ えりか)と、エリカの父、フォン・クロロックの2人が周囲で起こる怪奇事件を解決していくという、ミステリー・ロマンティックコメディ作品。ほぼ毎年刊行されているが、シリーズが進むにつれて登場人物たちが進学や結婚などの成長をしていくのも特徴である。
あらすじ
登場人物
- フォン・クロロック
- 本作の主人公、エリカの父。トランシルヴァニア出身の正統な吸血鬼。民衆の迫害を避けて日本に来た。当初は田舎に隠れ住んでいたが、現在ではクロロック商事の雇われ社長で朝方の生活をしている。
- 神代エリカ(かみしろ えりか)
- 本作の主人公。クロロックと前妻(日本人、故人)の間に生まれた娘。いかにもハーフと言った整った容貌。吸血鬼としての特殊能力を受継いでいるが、弱点も受け継いでいる。ただし、純血の父・クロロックよりは双方とも弱く、シリーズが進んだ現在では克服した弱点も多い。血は飲まない。
- 涼子(りょうこ)
- クロロックの後妻。高校時代はエリカの後輩だった。当初は儚げだったが現在ではクロロックを尻に敷いている。
- 虎ノ介(とらのすけ)
- クロロックと涼子の間に生まれた息子で、噛み癖がある。エリカにとっては異母弟である。
- 大月千代子(おおつき ちよこ)
- エリカの高校時代以来の親友。細身で長身。冷静で大人っぽい性格。もう一人の友人みどりと合わせて、3人いつも一緒にいる。
- 橋口みどり(はしぐち みどり)
- エリカの高校時代以来の親友。かなりの食いしん坊でなかなかの体格でかつ小柄。
既刊一覧
コバルト文庫(集英社オレンジ文庫)
集英社文庫
愛蔵版
メディア・ミックス
テレビドラマ
- 吸血鬼はお年ごろ〜永すぎた春。(1985年9月2日、 フジテレビ系「月曜ドラマランド」においてドラマ化された。「赤川次郎の吸血鬼はお年頃」とのタイトル表記も存在している。原作:永すぎた冬『吸血鬼はお年ごろ』所収。)
- 出演
- 早見優(エリカ)・岡田真澄(クロロック)
アルバム
カセットブック
- 吸血鬼よ故郷を見よ(1988年3月29日発売、集英社カセット。カセットテープ1つ)
脚注
注釈
- ^ a b 『湖底から来た吸血鬼』からレーベルがコバルト文庫に、『天使と歌う吸血鬼』からレーベルが集英社オレンジ文庫に変更されている。
- ^ 『吸血鬼はお年ごろ』から『吸血鬼は殺し屋修業中』まで担当。
- ^ 『吸血鬼ブランドはお好き?』から担当。
出典