単偶数 ( たんぐうすう 、( 英 : singly even number )または半偶数 ( はんぐうすう ) とは、4 の倍数 でない偶数 である。すなわち単偶数は、2 の倍数だが4の倍数ではない整数 である。
単偶数(半偶数)に対して、4の倍数を複偶数 (全偶数)という。
概説
単偶数は、 4n ± 2(n は整数)の形をしている。小さい順から十進表記で、6 , 10 , 14 , 18 , 22 , 26 , 30 …と続く。
十進法 では、−82, −38, 6, 10, 22, 54, 90, 138 などが単偶数で、−40, −16, 8, 12, 28, 64, 120 などが複偶数 である。二進法 では、下二桁が 00 になっていれば複偶数である。
位取り の底が複偶数であれば、一の位がどの数かで単偶数か複偶数かを判別できる。例えば、十二進法 では 2, 6, A が、二十進法 では 2, 6, A, E, I が一の位に来ていれば、その数は単偶数である。対して、十二進法では 0, 4, 8 が、二十進法では 0, 4, 8, C, G が一の位に来ていれば、その数は複偶数である。
複偶数にも類型があり、「奇数 で割り切れない複偶数」と、「奇数で割り切れる複偶数」の二つに分かれる。小さい順から十進表記で、奇数で割り切れない複偶数は4 , 8 , 16 , 32 , 64 …などの「2の累乗数 」であり、奇数で割り切れる複偶数は12 , 20 , 24 , 28 , 36 , 40 , 44 …などの「素因数分解 すると"2p ×奇数"で、pが2以上の数」となる。
性質
底に依存しない性質
以下、n は正の整数(自然数 )であるとする。
単偶数は多冪数 でない。また単偶数は2つの平方数 の差で表すことはできない。しかし、2つの多冪数の差で表すことはできる[ 1] 。
単偶数同士の和・差・積は4の倍数である[ 注 1] 。例:14 + 6 = 20, 14 − 6 = 8, 14 × 6 = 84
三角数 のうち単偶数であるのは 8n − 5 番目と 8n − 4 番目の三角数のみである。
フィボナッチ数 のうち単偶数であるのは 6n − 3 番目のフィボナッチ数のみである。
完全数 かつ単偶数であるのは 6 のみである。
単偶数進数での性質
底が単偶数のN進法 では、2-n は小数点以下 n 桁の有限小数 になる。例えば、1/4 (= 2-2 )は小数点以下二桁、1/8 (= 2-3 )は小数点以下三桁の有限小数になる。
「100÷4」の二桁整数abの冪数は、下二桁もabとなる。同じく、「100×3 / 4 」の二桁整数cbの冪数は、下二桁が「100×3 / 4 」と「100÷4」の二桁整数が交互に循環し、 cb→ab→cbの循環になる。
「(100×3 / 4 )+1」の二桁整数deの冪数は、下二桁が常にdeとなる。同じく、「(100÷4)-1」の二桁整数fgの冪数は、下二桁が「(100÷4)-1」と「(100×3 / 4 )+1」の二桁整数が交互に循環し、 fg→de→fgの循環になる。
底に依存する性質
02, 06, 10, 14, 18, 22, 26, 30, 34, 38, 42, 46, 50, 54, 58, 62, 66, 70, 74, 78, 82, 86, 90, 94, 98
の 25 10 通り(= 5 2 )のいずれかである。
02, 10, 14, 22, 30, 34, 42, 50, 54
の 9 通り(= 136 通り = 3 2 )のいずれかである。
02, 06, 0A, 0E, 10, 14, 18, 1C, 1G, 22, 26 … GA, GE, H0, H4, H8, HC, HG
の81 10 通り(= 4918 通り = 9 2 = 34 )になる。
十二進法 や二十進法 は、底が複偶数で奇数の4倍であるため、1/8周である45 10 (3912 , 2520 )の倍数は、一の位が0になるのは半周である180 10 (13012 , 9020 )の倍数のみとなる。
1/4周である90 10 の倍数のうち、単偶数は7612 , 4A20 (いずれも9010 )、1A612 , DA20 (いずれも270 10 )というように一の位には底の1/2になる偶数が現れる。
4510 の倍数で、奇数はB312 , 6F20 (いずれも135 10 )、16912 , B520 (いずれも225 10 )、22312 , FF20 (いずれも315 10 )というように、一の位には底の1/4か3/4になる奇数が現れる。
一の位が0になる例として、1周である360 10 (26012 , I020 )、1周半である540 10 (39012 , 17020 )、2周である720 10 (50012 , 1G020 )、2周半の900 10 (63012 , 25020 )、3周の1080 10 (76012 , 2E020 )、3周半の1260 10 (89012 , 33020 )などが該当する。
脚注
注釈
^
n
,
m
∈
Z
{\displaystyle n,m\in \mathbb {Z} }
に対し、
(
4
n
+
2
)
+
(
4
m
+
2
)
=
4
(
n
+
m
+
1
)
,
(
4
n
+
2
)
−
(
4
m
+
2
)
=
4
(
n
−
m
)
,
(
4
n
+
2
)
×
(
4
m
+
2
)
=
4
(
4
n
m
+
2
n
+
2
m
+
1
)
.
{\displaystyle (4n+2)+(4m+2)=4(n+m+1),(4n+2)-(4m+2)=4(n-m),(4n+2)\times (4m+2)=4(4nm+2n+2m+1).}
出典
^ McDaniel, Wayne L. (1982). “Representations of every integer as the difference of powerful numbers”. Fibonacci Quarterly 20 : 85–87.
関連項目
外部リンク