南日島南日島(なんにちとう[1]、なんじつとう[2]、ナンリとう、簡体字中国語: 南日岛、英語: Nanri Island)は、台湾海峡に臨む中国沿岸の小さな島。行政区画としての南日鎮(南日镇)は、中華人民共和国福建省莆田市秀嶼区に帰属している。 漁業南日島は、漁業が非常に盛んであるが、特に海水養殖業が発展しており、2018年の時点で海水養殖生産量は17.9万t、総生産額は32億5400万元に上っている[1]。島の沿岸には養魚場がいくつも設けられている[3][4]。島の干潟では、海藻類の養殖生産が盛んであり[4]、およそ4,700haの浅瀬や干潟を利用してアワビ(鮑)、コンブ(昆布)、海苔などが養殖されている[1]。 海産物の中でも、とりわけアワビは特産品として大変有名であり、南日鮑は、中国地理標示産品のひとつとされ[5]、アワビ生産は地域産業の柱のひとつとなっている[6]。 歴史南日島は、福建省莆田市の沖に位置している。古くは、南匿山と称され、また鮑魚島と呼ばれたこともある[7]。 1952年10月、この島の守備に就いていた中国人民解放軍と、侵入した中華民国陸軍の間で南日島戦役が戦われたが、この戦闘は中華民国側による島の占領で終わった。しかし、中華民国軍は南日島を放棄して台湾へ撤退し、島は再び中華人民共和国側が占拠した[8]。 17あった行政村の中には、小さな有人島の村4つが含まれており、これら小島の村は交通が不便な上、飲用水の確保も困難だった。社会主義新農村の建設が取り組まれる中、現地政府は南日島の本島内に土地を確保し、小島にいた住民たちを新たに建設した村へ移住させた。 おおむね1970年代まで、南日島は貧しい漁村であったが、改革開放後には、アワビの養殖の成功などによって経済状況が大きく改善した[7]。 2005年12月29日、19基の風力発電システムが完成し、島内における電力供給の問題を解決し、毎年2500万元を売り上げるに至っている[9]。 2008年12月26日、中国海洋石油総公司と台湾中油は、「烏丘嶼凹陥(南日島盆地)協議区連合研究協議(乌丘屿凹陷(南日岛盆地)协议区联合研究协议)」に合意し、南日島の周辺の石油資源の共同開発にあたることとなった[10]。 2015年には、集合型風力発電所が島に建設された[11][12] 。 交通中国本土側の莆田市の石城碼頭(埠頭)から、フェリー航路が設けられており、片道40分ほどで南日島に到達することができる[7]。 脚注
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