千葉準一
千葉 準一(ちば じゅんいち、1947年3月9日[1] - 2011年10月26日)は、日本の会計学者。宮城県名取郡岩沼町出身。首都大学東京都市教養学部教授、法政大学経済学部教授、同大学院イノベーション・マネジメント研究科アカウティング専攻(会計大学院)兼担教授を経て、2011年4月より国士舘大学経営学部教授を務めた。経済学博士(東京大学)。専門は財務会計論、国際比較会計制度論(日英中比較会計制度論)、日本近代会計制度史。 来歴・業績
日本会計学会、日本会計史学会、経営史学会等の学会に所属した。日本公認会計士協会国際会計基準検討会委員 (1991-1995)、税理士試験委員(1997-2002)、公認会計士試験第2次試験試験委員(2004-2006)、神奈川県情報公開審査会委員を歴任した。また、1990年に発刊されたイギリスの国際学術雑誌Accouting,Business and Financial History編集委員会委員も務めた。 人物会計学者の中でも数少ない会計制度史の研究者であり、その分野での日本における第一人者であった。とりわけイギリスおよび戦前・戦中期と戦後の日本の会計制度を精力的に研究し、イギリスや中国など世界各地の研究者と国際的な学術交流も行った。法政大学教授在任中は法政大学経済学会の学術誌「経済志林」を中心に、定期的に論文を投稿していた。 伊藤邦雄や廣瀬義州、桜井久勝など他の第一線級の会計学者が数多くの著書を世に送り出しているのとは対照的に、彼は生前あまり著書を出していない。基本書(一般的な会計学のテキスト)は共著で1冊あるのみで、他に専門性の高い著書(実質的には研究論文に近い)が4冊と、公認会計士・税理士志望者向けのテキストが1冊ある。彼の研究の特徴は、会計学を社会科学的に捉えようとする姿勢にあり、これまでにマックス・ウェーバーやユルゲン・ハーバーマス、ニクラス・ルーマンといった社会学者の方法を用いた研究を行ってきた。 また、彼はイギリスへの留学経験があるため、彼の学風はイギリス会計学からの影響が非常に濃くなっている。日本の会計学が主としてドイツとアメリカの会計学から影響を受けて発展してきたことを考えると、このことは会計学の研究者の中では稀である。 時価会計に好意的な会計学者が少なくない中で、彼は安易な時価会計の導入に対して批判的であり、財務諸表公開制度全般に正当性を持たせるために原価主義を守るべきだと主張していた。 2008年度から2010年度まで法政大学経済学部で「会計学応用Ⅰ(財務会計)」と「国際会計制度」、同大学院イノベーション・マネジメント研究科アカウティング専攻で「会計制度論」の授業を担当していた。「国際会計制度」の授業は、彼の専門である会計制度史の授業であるが、日本での経済学・商学・経営学系の学部では会計制度史の授業は少ない。 著書
脚注外部リンク
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