十和田観光電鉄ED300形電気機関車

ED301(2009年撮影)

十和田観光電鉄ED300形電気機関車(とわだかんこうでんてつED300がたでんききかんしゃ)は、十和田観光電鉄にかつて在籍していた直流電気機関車である。

概要

1951年(昭和26年)、十和田鉄道線が762mmから1,067mmに改軌されるのと同時に直流1,500Vにより電化された際に、車両置き換えのため日立製作所笠戸工場でED301の1両が新造された。形式番号の「30」は、運転整備重量が30tであることに由来し、動軸数4の電気機関車の1号機であることから、ED301と名づけられたものである[1]

同時期に十和田鉄道が購入した同社製の電車モハ2400形・クハ2400形とモーターやブレーキの部品が共通で、尾灯脇にはクハ2400形牽引用のジャンパー栓(電灯電源用)を設置している。これはメンテナンスの効率化・軽減化のためという。

当初は貨物列車以外に、混合列車[2]に運用されていたが、モハ3400形の登場後は貨物専用となり、ED400形の就役後は予備機となった。台車板台枠のため走行時の動揺が激しいことから、社内規定により最高速度は50km/hに制限されている。

1986年(昭和61年)の十和田観光電鉄の貨物輸送廃止後は、2012年(平成24年)の廃線まで除雪および工事用として運用された。

主要諸元

  • 全長:10,850mm
  • 全幅:2,515mm
  • 全高:3,780mm
  • 運転整備重量:30.0t
  • 電気方式:直流1500V架空電車線方式
  • 軸配置:B-B
  • 主電動機:HS-226CY 90.0kW×4基

脚注

  1. ^ 戦時中に、東北地方運輸局が出した通達に基づく形式番号付与法(通称・仙鉄式)である。
  2. ^ 客車の代わりにクハ2400形を使用していた。

参考文献

  • 寺田裕一『私鉄機関車30年』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2005年。ISBN 4-533-06149-4