利用者:Toshinori baba/sandbox
'()。 登場の経緯近鉄特急は近畿日本鉄道のブランドイメージの根幹の立場を取っており、今現在の乗客の価値観の多様化が進む中において近鉄特急は常に時代を先取りして先駆的なサービスを提供すべきである考えの基に、2013年に社内にプロジェクトを立ち上げて検討を開始した。そこでは、近鉄特急をグループごとに分類して、現状分析や将来の外部環境変化の予測などの市場分析を行って将来像の策定を行い、2014年3月から2019年3月まで実際の特急列車への乗り込みやインターネットにより計8回のアンケート調査を行った。 このアンケート調査では2万件を超えるサンプルが集まり、その中で近鉄名古屋-大阪難波間を結ぶ「名阪特急」では、車内で会話を楽しむよりもプライベート感やくつろぎを求める人達が多く、「後ろの方に気兼ねして、自分が操作したいリクライニング角度まで倒せない」という具体的な内容が多く寄せられた。また、「シートピッチの拡大やバックシェルがあれば利用を考える」というサービス内容の意見を多く頂いており、それらの意見を基に「名阪特急」に新たに導入する特急車両には、シートピッチの拡大と全席の後部にバックシェルの導入を検討したが、それには座席空間を広げることになって座席定員を減らす必要になることが分かり、バックシェル全席設置の可否には社内で数多くの論議がなされたが、最終的に「くつろぎのアップグレード」のコンセプトに魅力を持たせることとなり、わが国初の全席の後部にバックシェルの導入となった。その後の2019年に近畿車輛で車両製作が始まり、新たな名阪特急「ひのとり」として登場したのが本形式である。 o 概要車体車両の設計と製造は近畿車輛が行っており、設計過程においては車内空間と乗務員室の運転取り扱いを確認するため。実物大のモックアップ製作とVR(仮想現実)システムを使用して検証を行い、仕様の決定に至っている。車体は全鋼製車体であり、車体長は先頭制御車が21600mm、中間車が20500mm、車体高は電動車は4150mm、先頭制御車と中間車が4140mmであり、床面高さは平床部において1140mmとしており、車体幅は共通の2800mmとなっている。先頭制御車の先頭部分は潰れやすい構造となっており、衝突時において潰れることで衝撃を吸収して乗客と乗務員に伝わる衝撃を低減する「クラッシャブルゾーン」としている。外観は先進的でスピード感のある車体フォルムとしており、力強さや華やかさを表現するため、車体塗色はメインカラーを赤のメタリック塗装の「ひのとりレッド」を採用した、これは、「ひのとり」の「ひ」の言葉を赤色で連想させることを目的としており、メタリック塗装の採用により、凹凸面での光の当たる面が変わることで生じる陰影や車体形状の特徴である「エッジライン」を強調することができ、車体側面の描かれたロゴマークや車体側面腰部に配置されたアクセントラインは「プレミアムゴールド」としている。側窓周りが黒で縁取られており横に濃い茶色の縞が入れられており、この配色は、この車両のテーマである「最上の寛ぎの時間」を演出するものである。 先頭制御車の先頭形状は流線形で前面に設けられた大きな曲線ガラスを上下2段で構成しており、下側の運転席側の前面ガラスは高さが1000mm、幅が1700mmの大型ガラスとしており、プレミアム車両のため客室は床面高さを720mm上げたハイデッカー構造となっている。前照灯はデザインを考慮して、前面窓下部に横長の上下2段×10列を配置するLEDを配置しており、従来の特急車両の4灯分の光量を確保している。また、前面窓上部両端に後部標識灯(赤色)と列車種別灯(黄色)を一体化したLED灯を前面窓に合わせて傾斜させてLED基盤を分割する形で配置している。側窓は一席ごと赤外線カット膜を挟んだ紫外線カット合わせガラスを採用した開放感がある大きな単窓で構成され、先頭制御車の側窓は下端高さを床面から500mm低くして、高さ1107mmの大型ガラスとして側面の眺望性を良くしている。側扉はメンテナンス性などを考慮した空気式ドアエンジン駆動の有効開口幅900mmの片引戸であり、車端部に設置せずに通勤車両に合わせた位置に設置している。また、先頭の流線形のラインを崩さないよう、23000系伊勢志摩ライナーと同様に連結器は格納式とされている。 編成MT比3M3T(電動車3両・付随車1両・制御車2両)で6両編成を基本としており、8両編成はそこにモ80700形とサ80800形を組込み4M4Tとし、6両編成は大阪側から「大阪難波←ク80100形 - モ80200形 - サ80300形 -モ80400形 - モ80500形 - ク80600形→近鉄名古屋」で構成され、8両編成は「大阪難波←ク80100形 - モ80200形 - サ80300形 -モ80700形 - サ80800形 -モ80400形 - モ80500形 - ク80600形→近鉄名古屋」で構成される。8両編成に組み込まれるモ80700形の近鉄名古屋方とサ80800形の大阪難波方には、4両編成単位に分割できるように簡易運転台が備えている。また、制御装置(VVVFインバータ制御装置)と主電動機(かご形三相誘導電動機)は、電動車の車両番号の十位が「0」と「5」の車両は三菱電機製、電動車の車両番号の十位が「1」の車両は日立製作所製となっており、電動機出力は三菱電機製と日立製作所製では10kwの違いがある。編成定員は6両編成は239名(プレミアム車両 42名・レギュラー車両 197名)、8両編成は327名(プレミアム車両 42名・レギュラー車両 285名)となっている。 外観
車内設備先頭車両はハイデッカー構造で、バックシェル構造を採用したプレミアムシートが3列に配置されており、プレミアム車両と呼ばれる。バックシェル構造は、リクライニングを行っても後ろの席の空間が狭められることはない[1]。シートピッチは国内最大級の1300mmで、クリーム色と茶色を基調とした内装でまとめられている。デッキにはカフェスポットが設けられており、飲料や軽食を購入することが可能である。また大型荷物を収納できるロッカーも設けられている。 中間車両はこちらもバックシェル構造を採用したレギュラーシートが4列に配置されている、レギュラー車両であるがシートピッチはJR各社の特急車両用グリーン車と同等の1160mmで、灰色と茶色を基調とした内装でまとめられている。モ80500、モ80200、モ80400にはロッカーが、モ80400には喫煙室が、サ80300には車椅子スペース、多目的トイレ設けられている。 いずれも、通常の特別急行料金の他に特別車両料金を徴収するが、ビジネス需要を重視していることや他交通機関との競合が激しい名阪特急での運用に特化していることから、プレミアムシートはしまかぜ(50000系)と、またレギュラーシートは青の交響曲(16200系)と比較して安価に抑えられている[2][3]。 →「近鉄特急 § 料金制度」も参照
運用主に大阪難波駅 - 近鉄名古屋駅間の名阪甲特急と、大阪難波駅 - 近鉄奈良駅間の阪奈特急で運用されている。 名阪特急に(汎用車以外の)新車が投入されるのは18年ぶりで、営業運転開始前には数多くのイベントが行われた。2020年2月8日には有料試乗会、2月15日には五位堂検修車庫でお披露目会、2月16日には青山町車庫で有料撮影会がそれぞれ開催された。2月22日から3月1日にかけて予定されていた無料試乗会は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて延期されることとなった[4]。 参考文献
脚注
関連項目
外部リンク
概要車体電源・制御機器台車運用出典参考文献
気動車(けいきどうしゃ) 概要車体主要機器機関・主発電機制御装置主電動機制動装置電動空気圧縮機冷房装置戸閉装置乗務員室台車今後の予定参考文献関連項目概要車体乗務員室主要機器台車運用備考 |