利用者:Pinkpastel/ワークスペース7
佐世保女子高生殺害事件(させぼじょしこうせいさつがいじけん)は、2014年7月26日に長崎県佐世保市で発生した殺人事件である。 被害者は佐世保市の公立高校に通う女子生徒であった。遺体が発見されたマンションに住む、同級生の女子生徒が緊急逮捕された[1][2]。逮捕容疑は、被害者を自宅マンションにて後頭部を鈍器のようなもので数回殴り、ひも状のもので首を絞めて殺害した疑い。長崎県警察によると、遺体は首と左手首が切断されていた。 概要事件まで2014年7月23日、加害者は継母との会話の中で、猫を殺して楽しいことや殺人願望について語っていた[3]。そのため、事件前日の25日に両親が病院と協議したが、病院からは「入院は施設の事情で即日の入院ができない」と言われていた。また、「ただちに警察に通報せず、児童相談所に行く」という方針で一致していたが、その日に児童相談所に電話相談したものの、担当者から「今日はサマータイムで終わった。月曜日(28日)にしてくれ」と断られていた[3][4]。 被害者は事件の1週間ほど前に、加害者の家へ遊びに行くと家族に話していた[5](加害者が自分から誘ったと供述している[6])。2人は26日昼、佐世保市内の繁華街で買い物を楽しんだ後、加害者のマンションに戻る。 殺害26日20時 - 22時頃、被害者の後頭部を工具で複数回殴り、リード(犬の散歩に使う引綱)[7]で首を絞めるなどして殺害したと加害者が供述[8]。被害者死因は頸部圧迫による窒息死であった。 遺体は、頭と左手首が切断されていた。胴体部分にも刃物で切ったとみられる複数の傷があった[9][10]。 殺害後事件直後に衣服を着替えて身体を洗うなど、証拠隠滅と疑われる行為が見られる。また、加害者が自分のスマートフォンをマンションの5階から投げ捨てたと見られる。 帰宅しない被害者を心配した被害者の家族は捜索願を提出した。27日未明、加害者のマンションを警官が訪れたが、加害者は被害者について「知らない」と答えた。不審に思った警察官が室内に入ったところ、ベッドの上で仰向け状態の被害者の遺体と切断された頭部と左手首を発見した。 捜査室内からはスレート切断用のこぎり、石頭ハンマー、テストハンマーが見つかっている[9]。加害者は「自分で買った」と供述した。発見された凶器のうち、のこぎりはベッドの上で、ハンマーはベッドの脇と下から見つかった。 加害者は「体の中を見たかった」「人を殺して解体してみたかった」などと供述しているが、2人の間の具体的なトラブルなどは不明である。取り調べに「殴ってから首を絞めた。すべて私が1人でやりました。誰でも良かった。」と犯行を認めるものの、受け答えは淡々として反省の様子は見られなかった[11]。長崎地方検察庁は精神鑑定を検討し[11]、8月8日には佐世保簡易裁判所が精神鑑定留置を認めたと報道されている[12]。 なお、長崎県警察は7月29日午前に「2人の間にトラブルがあったとみられる」と公表していたが、同日午後には「間違いだった」と訂正している[13]。 2015年1月20日、2014年3月2日に佐世保市の自宅で就寝中の父親の頭などを金属バットで複数回殴るなどして殺害しようとした殺人未遂の容疑で、加害者を再逮捕した[14]。 司法判断2015年7月13日、長崎家庭裁判所は加害者に対し、医療少年院(第3種少年院)送致とする保護処分の決定を出した[15]。平井健一郎裁判長は「ASD(自閉症スペクトラム障害)が見られるものの、それが非行に直結したわけではなく、環境的要因の影響もあった」との趣旨のことを述べた[16]。 時系列以下の時系列は全て2014年のものである。
加害者加害者は事件を起こした2014年春より、親元を離れて一人暮らしをしており、その一人暮らしをしているマンションで被害者の遺体が発見された[9][18]。 家庭環境加害者は佐世保市内で育つ。加害者の実家について不動産登記簿によれば、宅地面積は約80坪[19]。地上2階、地下1階の鉄筋コンクリート造りの建物は、延べ床面積が300平方メートルを越える豪邸である[19]。両親は長崎市出身で、父親は早稲田大学政治経済学部を卒業、県内最大手の法律事務所を経営しており、佐世保では有名な弁護士だった[19][20]。弁護士としてだけではなくスピードスケートの選手としても名を知られていた[20]。父親は2014年10月5日、自宅で首を吊って死亡しているのが発見された。自殺とみられる[17]。母親は東京大学を卒業、市の教育委員を務め、教育活動に熱心だった[19]。兄は東京の有名私立大学で学んでいた[19]。 人柄幼い頃から学業は優秀で、スポーツも積極的だった[18]。中学校では放送部に所属しており、NHKのアナウンサーになるのが夢だった[21]。「検事になって法廷で弁護士である父や、弁護士志願者である兄と戦いたい」という夢を語ったこともある。また、冬季スポーツ種目で国体に出場しており、地元でも知られていた[18][22]。 その一方、「あまり笑う子ではなかった」[23]「頭が良すぎて特殊な子」[24]といった評価も見られる。中学生の頃から医学書を読んだり動物の解剖に熱中したりしていた[25]。さらに小学6年生時の2010年頃には、同級生の給食に薄めた洗剤や漂白剤、ベンジンを混入するいたずらをくり返すなどの問題を起こしていた[26][18]。 また、2013年10月に実母がガンで亡くなって以降は、不登校が続いていた。中学校卒業後には一人暮らしを始めるが、高校は1学期のわずか3日のみ出席していた[6]。2014年5月、父親が再婚する[20]。幼馴染によると、加害者は「(父と継母とは)一緒に住みたくない。」と言っていたという[20]。また、中学時代に祖母も亡くなっており、その頃から猫を解体したりしていた[27]。 被害者との関係被害者と加害者は、生まれた家が近いということもあり、知り合いだった[20]。被害者の父親は海上自衛官だった[20]。被害者は加害者とは中学校の同級生で、写真部に属し、明るくて面倒見がよい生徒だった[24]。 担当精神科医加害者の診察を以前から担当していた精神科医は、2014年6月10日に佐世保こども・女性・障害者支援センター(児童相談所)に電話で連絡を行った。電話の内容は、精神状態の不安定さを懸念して「女子生徒は人を殺しかねない」といった内容だったが、文書決裁にとどめていた。背景に、同センターの幹部職員によるパワーハラスメント発言(職権による人権侵害)があり、電話で報告を受けた職員が適切な処置について上司に相談することができなかったことなどが挙げられる。なお、2015年2月に同センターの所長と幹部職員は戒告の懲戒処分、別の職員が文書訓告処分となっている[28]。 有識者・専門家の見解母親の死が犯行のきっかけという見解
生活環境の変化が原因という見解
父の再婚の早さについての見解日本には喪中という慣習があるので、社会通念上、加害者の父親が再婚した時期は早いと見なされ、婚活や再婚の時期の早さが問題視されている[37]。この問題に関しジャーナリストの吉田明洋は、加害者の父が先妻死後すぐのパーティーで5人の女性に名刺を配って口説き始めたこと、それを知人が嗜めたところ「俺は独身なんだ」と平然と答えたこと、について、目撃談を紹介している[38]。
それ以前からの問題を指摘する見解
加害者の性癖を指摘する見解
異常者ではないとする見解その他
脚注
関連項目
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