利用者:Cyclops/特別書庫-07睦月神事(むつきしんじ)は、日本の福井県福井市大森町(旧・丹生郡清水町大森)に現存する年中行事。越前国丹生郡志津荘(しずのしょう)にて、奈良時代の創建と伝えられる大森の賀茂神社に奉納する神事として、鎌倉時代に始められたとされる。 概要大森の賀茂神社に天下泰平・国家安穏・五穀豊穣などを願って行われる約800年の伝統を誇る神事で、越前猿楽の本貫の地らしく延年の面影を遺しており、大行列や田楽を模した稚児舞、農耕を模した太夫の田遊び儀礼など、中世芸能の生きた姿を見ることができる。現在では4年に一度、2月14日に奉納される(最も近く行われたのは2011年〈平成23年〉、次回は2015年〈平成27年〉)。 神事についての記録は、明治5年(1872年)に賀茂神社宮司広部家が火災に遭って史料ともども焼失したため、史料が極めて少ないが、上天下区有の古文書である『賀茂祭覚帳』等、江戸時代の史料のいくつかは現存しており、ある程度は読み解くことができる。現存史料は鎌倉時代の言葉で綴られている。それらに基づけば、荘園制時代であった鎌倉時代当時のこの地は志津荘と呼ばれ、8つの村があったが、この8村を4組に分けてそれぞれが輪番制で毎年の旧暦の正月14日(新暦の2月14日)に賀茂神社の拝殿で舞などの神事が奉納されていたという。明治4年(1871-1872年)に神社の拝殿が失火によって焼失すると、その後は民家を利用して続けられるようになった。しかし、経済状況の悪化などによって脱落する地区が相次ぎ、現在では神事の祭礼のみを行う地区もある。そのようななか、今では4年に一度となったものの大森町に限っては盛大な規模を保ちながら連綿と続けられてきておる。 1978年(昭和53年)5月22日、国の重要無形民俗文化財に指定された。1999年(平成11年)には、国指定重要無形民俗文化財・睦月神事の管理保護団体として、大森町にて賀茂神社睦月神事保存会(正式名称:賀茂神社睦月神事奉賛会)が発足し、同年には睦月神事専用の公民館である睦月神事会館の完成も見た。 神事の次第
福井県の国指定重要無形民俗文化財記述内容は、左から順に、指定名称、指定年月日、所在地、管理者。
脚注関連項目外部リンク
座標: 北緯36度1分11.4秒 東経136度6分57.4秒 / 北緯36.019833度 東経136.115944度
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