śrī-rājovāca
kathyatāṃ bhagavann etat tayoḥ śāpasya kāraṇam
yat tad vigarhitaṃ karma yena vā devarṣes tamaḥ
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大王(śrī-rāja)は言った。
バーガヴァン[1]よ、どうか教えてください、
二人が呪われた理由を。
禁忌のカルマ(karma)のせいなのか、
あるいは、デーヴァのリシ(devarṣi)[2]の不徳(tamaḥ)か。
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śrī-śuka uvāca
rudrasyānucarau bhūtvā sudṛptau dhanadātmajau
kailāsopavane ramye mandākinyāṃ madotkaṭau
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大シュカ(śrī-śuka)は言った。
二人はルドラ(rudra)の眷属[3]として生まれ、 二人は財宝神(dhanada)[4]の息子として驕り、
魅惑のカイラス(kailās)の庭の、
曼陀枳尼(mandākinī)[5]のほとりで、酔って[6]慢心していた。
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vāruṇīṃ madirāṃ pītvā madāghūrṇita-locanau
strī-janair anugāyadbhiś ceratuḥ puṣpite vane
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ヴァールニー[7]とマディラー
[8]
を飲み、
酔って目を回した。
女達と歌を歌い、
花咲く森をさまよい歩いた。
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antaḥ praviśya gaṅgāyām ambhoja-vana-rājini
cikrīḍatur yuvatibhir gajāv iva kareṇubhiḥ
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ガンガー(gaṅgā)の中に入った。
そこには、水蓮(ambhoja)の森が一面に浮かんでいた。
二人は若い女達と遊んだ。
まるで、雄象と雌象のように。[9]
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yadṛcchayā ca devarṣir bhagavāṃs tatra kaurava
apaśyan nārado devau kṣībāṇau samabudhyata
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やがて、偶然にもデーヴァリシ(devarṣi)[2]である、
カウラヴァのバーガヴァンがそこに来た。
ナーラダ(nāradh)は二人の神(devau)[10]を見て、
虚ろな目つきから、事態を悟った。
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taṃ dṛṣṭvā vrīḍitā devyo vivastrāḥ śāpa-śaṅkitāḥ
vāsāṃsi paryadhuḥ śīghraṃ vivastrau naiva guhyakau
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彼が見ていると、女神たちは、
裸を恥じらい、呪い(śāpa)を恐れて、
すぐに上着を体にかけた。
しかし、グヒヤカ族の二人(guhyakau)
[11]
はそうせず、裸だった。
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tau dṛṣṭvā madirā-mattau śrī-madāndhau surātmajau
tayor anugrahārthāya śāpaṃ dāsyann idaṃ jagau
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彼らのマディラーに酔っている様を見るに、
神(sura)の二人の息子は、大いなる酔いに目が眩んでいる[12]。
慈悲の心から、彼らに呪い(śāpa)を
与えて、こう言った。
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śrī-nārada uvāca
na hy anyo juṣato joṣyān buddhi-bhraṃśo rajo-guṇaḥ
śrī-madād ābhijātyādir yatra strī dyūtam āsavaḥ
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大ナーラダは言った。
この世の楽しみは、物質的に満たされることではなく、
智(buddhi)を育み、欲を抑えることにある。
ābhi[13]生得(jātya)のものが原因で、大いなる酔い、
すなわち、女、賭け事、酒(āsavaḥ)などにつながる。
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hanyante paśavo yatra nirdayair ajitātmabhiḥ
manyamānair imaṃ deham ajarāmṛtyu naśvaram
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動物がすぐに死ぬ原因は、
慈悲がなく、自制心を欠くからである。
これを考えると、肉体の
不老(ajara)不死(amṛta)も儚い。[14]
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deva-saṃjñitam apy ante kṛmi-viḍ-bhasma-saṃjñitam
bhūta-dhruk tat-kṛte svārthaṃ kiṃ veda nirayo yataḥ
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神(deva)として知られた者も、結局は、
蛆と灰として知られるようになる。
あのように、世に逆らい、利己的な所業を積み重ねると、
奈落(nirayah)を知る所以となる。
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dehaḥ kim anna-dātuḥ svaṃ niṣektur mātur eva ca
mātuḥ pitur vā balinaḥ kretur agneḥ śuno 'pi vā
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体とは、己に糧を与える者のもの。
父のもの(niṣektur)、母のもの、さらには、[15]
母の父のもの、あるいは、強者のもの、主人のもの、
ひいてはアグニのもの(agneḥ)、犬のもの[16]。
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evaṃ sādhāraṇaṃ deham avyakta-prabhavāpyayam
ko vidvān ātmasāt kṛtvā hanti jantūn ṛte 'sataḥ
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このように、肉体の持ち主は、
見えないところで、生成消滅するものである。
自分のものと認識する者の行いは、
理由の無い殺生である。
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asataḥ śrī-madāndhasya dāridryaṃ param añjanam
ātmaupamyena bhūtāni daridraḥ param īkṣate
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物質的な大いなる酔いの目の眩みには、
貧困が最上の軟膏である。
全てを自分と比べる
貧しい者は、最も見える。
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yathā kaṇṭaka-viddhāṅgo jantor necchati tāṃ vyathām
jīva-sāmyaṃ gato liṅgair na tathāviddha-kaṇṭakaḥ
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茨に貫かれている者は、
生き物にその痛みを望まない。
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