利用者:みたら/BURN THE WITCH
『BURN THE WITCH』(バーンザウィッチ)は、久保帯人による日本の漫画作品。略称は「BTW」[3]。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2018年33号に掲載された読み切り作品を前日譚とし[1][2]、2020年8月より同誌にてシリーズ連載が開始された[1][4]。Season1は2020年38号から41号まで短期集中連載として連載された[4][5]。 ロンドンの裏側に広がる「リバース・ロンドン」を舞台に、ドラゴンと呼ばれる異形の存在と相対する魔女(ウィッチ)、魔法使い(ウィザード)たちを描いたファンタジーアクション[6]。ドラゴンを保護管理する機関「ウイング・バインド」の保護官である2人の魔女、ニニー・スパンコールと新橋のえるを中心に物語が展開される[6]。 メディアミックスとしてアニメーションが制作されているほか[7]、久保の前作『BLEACH』を原作としたゲーム『BLEACH Brave Souls』や企業とのコラボレーションも行われている[8][9]。 登場人物声の項はアニメ版の声優。 笛吹き隊(パイパーズ)
トップ・オブ・ホーンズウイング・バインドの最高意志決定機関であり、8つの部隊の長官たちによって構成される[3]。
その他用語
作風本作の舞台は、読み切り版において久保の前作『BLEACH』と同じ世界線にあることが示唆されている[13]。 ライターのこもとめいこ♂によると、本作では「久保らしいダークな世界観」を背景とした物語が描かれている。その一方で、主人公であるニニー・スパンコールと新橋のえるの存在が、「本作をダークファンタジーではなく、ジャンプ作品らしい、明るさとユーモアを兼ね備えたエンタメに昇華させている」という。また、魔女やドラゴンといったファンタジー要素を現代のロンドンに巧みに重ね合わせており、読者が知らず知らずのうちに物語に没入できる構成になっていると指摘している[12]。 制作背景本作はまず、『週刊少年ジャンプ』の創刊50周年を記念する読み切り作品として発表された[2]。制作に当たっては、企画段階で編集長から「新しい作品も読みたいんですけど、『BLEACH』関連のマンガも見たいんですよね」という要望が示されたという[45]。読み切りを掲載後程なくしてアニメ化のオファーが来たこともあり、久保は同作のシリーズ連載に向けた執筆を開始した[45]。 その後、2020年3月21日にYouTube Live、Periscopeで配信された「BLEACH20周年プロジェクト&久保帯人新作発表会」[注 2]にて、読み切り版を前日譚とした新エピソードのシリーズ連載化、劇場中編アニメーション化が発表された[1]。久保は「ネームを渡してアニメ化してもらいつつ原稿も描く、というのは初めての経験で面白かったし、どちらも良いものになってんじゃないかなーと思います」とコメントを寄せた[1]。「Season1」は『週刊少年ジャンプ』にて2020年38号から41号までの短期集中連載(全4回)として連載され[4][5]、41号では「Season2」の制作が告知された[5][注 3]。 社会的評価批評ライターの島田一志は、本作の主人公であるニニー・スパンコールと新橋のえるについて、従来の漫画作品では人気のある脇役として位置づけられるタイプのキャラクターであると分析し、「そんな彼女らを『ふたりでひとり』のバディとして組ませて、あえて物語の中心に置いたおもしろさが本作にはあるように思える」と評している[11]。そのうえで、島田は作中におけるふたりの魅力について次のように述べている。
また、島田はニニーのセリフから、「自分の道は自分で切り開いていく『強さ』を感じ取ることができる」とも述べている[24]。 ライターのSYOは、本作と『ハリー・ポッター』シリーズ、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの設定に共通する要素が見られることを指摘し、「久保帯人 meets 『ハリー・ポッター』的なワクワク度を感じられる」と評している。また、SYOは本作と同時進行で制作された劇場アニメについて、「入念な仕込みと、チームワークによって作り出された一作。まさに『マンガとアニメの完璧な同時展開』といえるプロジェクト」と称賛している[13]。 ライターの志田英邦は、「魔女というファンタジックな存在と現代ロンドンというリアルな世界のミクスチャーが本作の最大の魅力」であると評している[3]。 本作は「マンガ大賞2021」の一次選考作品に選ばれた。推薦した選考員は、「1巻目なのにもう3巻くらい読んだ感じのストーリーの厚さ」と評している[49]。 売上オリコンの調べによると、本作のコミックス第1巻は発売初週に86,066部、2週目に68,810部の推定売上部数を記録し、週間コミックランキングでそれぞれ第5位にランクインした[50]。3週目の推定売上部数は29,265部であり、推定累積売上部数は184,141部となった[51]。 日本出版販売のWebメディア「ほんのひきだし」が発表した2020年の「コミックス第1巻 年間売上ランキング」では、第3位を獲得している[52]。 書誌情報
アニメ「Season1」を原作とする劇場中編アニメーション『BURN THE WITCH』(『season1』[54])は、2020年10月2日より新宿ピカデリーほか全国35館の劇場にて2週間限定でイベント上映された[7][注 4]。また、同日より劇場上映版を全3話に編集した配信版の世界同時配信がスタートし、日本国内ではAmazon Prime VideoおよびひかりTVにて、日本国外ではCrunchyrollほかにて配信された[57][58]。 『週刊少年ジャンプ』50周年記念号に掲載された読み切り作品をアニメ化した『BURN THE WITCH #0.8』(バーンザウィッチ ゼロポイントエイト)は、2023年12月30日より日本国内ではPrime VideoおよびLeminoにて、日本国外ではCrunchyrollほかにて世界同時配信された[30][59]。また、同日にはテレビ東京およびBSテレ東にて『season1』とともにシリーズ初のテレビ放送が実施された[30][54]。 スタッフ
制作沿革2020年3月21日にYouTube Live、Periscopeで配信された「BLEACH20周年プロジェクト&久保帯人新作発表会」[注 2]にて劇場中編アニメーション化が発表された[1]。また、メインスタッフや一部キャスト陣も発表され、ティザーPVが公開された[1]。同年8月24日には上映および配信日、追加キャストが発表され[57]、同年9月14日には主題歌情報が発表された[21]。 『甲鉄城のカバネリ』でアクション作画監督を担当した川野達郎が監督を務め、川野がスタジオコロリド内で結成したアニメーションチーム・teamヤマヒツヂが制作した[3]。ナレーションはよのひかりが担当した[61]。 2023年9月16日、テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』の放送後に『BURN THE WITCH #0.8』のアニメ化が発表され、ティザーPVが公開された[10]。また、監督、制作スタジオ、キャスト陣の続投が発表された[10]。同年10月23日には配信および放送日、メインスタッフ、追加キャスト、主題歌情報が発表された[30]。 主題歌主題歌は「『BURN THE WITCH』の世界観をサウンドから具現化するために結成された音楽ユニット」のNiLが担当している[62]。
各話リスト
Blu-ray劇場中編アニメーションのBlu-rayは、コレクターズエディション(初回限定生産)、通常版、特装限定版の3形態で発売された。コレクターズエディションは2020年10月2日より上映劇場にて先行販売されたのち、同年12月24日にA-on STOREにて限定販売された。通常版および特装限定版は同年12月24日に一般発売された[64]。 各版共通のディスクには、全3話の配信版本編映像、メインキャストと監督・川野達郎によるオーディオコメンタリーなどが収録された。コレクターズエディションには、原作・久保帯人による描き下ろしBOX、劇場上映版本編映像を収録した特典ディスク、絵コンテ集、原画集、久保による描き下ろしイラストカードコレクションが付属された。また、コレクターズエディションと特装限定版には、共通のキャラクターデザイン・山田奈月による描き下ろしデジジャケット、オリジナルサウンドトラックCD、特製ブックレットが付属された[64]。
関連書籍
Web番組劇場中編アニメーションの公開に先駆け、2020年9月28日にYouTube「バンダイナムコアーツチャンネル」のYouTube Liveおよび「アニメ『BURN THE WITCH』公式」TwitterのPeriscopeにて『BURN THE WITCH 公開直前生放送』が配信された[64][66]。同番組には田野アサミ(ニニー・スパンコール 役)、山田唯菜(新橋のえる 役)、土屋神葉(バルゴ・パークス 役)、引坂理絵(オスシちゃん 役)、小林親弘(ブルーノ・バングナイフ 役)が出演し、平田広明(チーフ 役)がMCを務めた[64]。番組内では来場者特典など映画の最新情報が発表された[64]。 『BURN THE WITCH #0.8』の配信に先駆け、2023年10月23日にYouTube「ジャンプチャンネル」にて久保の作品に関する情報を発信する配信番組『「Krew beInside」』第2回がプレミア公開された[67]。同回には久保のほか、週刊少年ジャンプ編集部担当編集、川野達朗(監督)、田野アサミ、山田唯菜、土屋神葉が出演し、松澤千晶がMCを務めた[30]。 イベント2020年10月2日に新宿ピカデリーにて田野アサミ、山田唯菜、土屋神葉、引坂理絵、小林親弘による劇場中編アニメーションの初日舞台挨拶が行われた[68]。 2021年3月20日にツイキャスにて「劇場アニメ『BURN THE WITCH』設定資料集『BURN THE WITCH Animation Works』発売記念teamヤマヒツヂ / スタジオコロリドスタッフ&小林親弘トークイベント」が有料配信された。同イベントには川野達朗、小林親弘のほか、teamヤマヒツヂ / スタジオコロリドのスタッフが出演した[69]。 2022年5月6日、7日にスタジオコロリドの設立10周年を記念したオンライン映画祭が開催された。同映画祭の一環として、『season1』の第1話がツインエンジン公式YouTubeチャンネルにて期間限定配信された[70]。 『雨を告げる漂流団地』の公開を記念し、2022年8月27日から9月1日までグランドシネマサンシャイン池袋にて「スタジオコロリド過去作上映ウィーク」が開催された。8月28日には劇場中編アニメーション『BURN THE WITCH』が上映された[71]。 コラボレーション2020年9月16日から10月19日まで、アニメイトカフェスタンドHareza池袋にてコラボカフェが開催された。本作の世界観やキャラクターをイメージしたコラボメニューがテイクアウトで提供されたほか、アニメイトカフェ限定の描き下ろしイラストを使用したオリジナルグッズが販売された[72]。 2020年10月2日から11月15日まで、全国のアニメイトカフェグラッテ(渋谷・吉祥寺パルコ・仙台・大阪日本橋・岡山)にてコラボカフェが開催された。本作のキャラクターがプリントされたグラフィックラテやアイシングクッキーが提供された[73]。 KLabが配信するゲーム『BLEACH Brave Souls』とのコラボイベントが2020年10月17日より開催された[74]。『gamebiz』によれば、翌10月18日には同ゲームのApp Storeにおける売上ランキング(ゲームカテゴリー)が前日の252位から24位と大幅にランクアップしたという[74]。2023年9月時点で本作とのコラボイベントは第5弾まで開催されている[75]。 2020年12月4日から12月17日まで、A3が運営する池袋のカフェ「GraffArtCAFE」にてコラボカフェが開催された[76]。また、池袋P'PARCO内の「A3 Store」および東京キャラクターストリートではポップアップストアが同時展開された[77][78]。 2020年12月4日から12月29日まで、テイクアウトドリンク専門店「きゃらドリ!!」(秋葉原本店・大阪日本橋店)にてコラボカフェが開催された。本作のキャラクターをイメージしたコラボドリンクが提供されたほか、ちびキャラが描かれたオリジナルグッズが販売された[79]。 ベイクルーズが運営する公式通販サイト「ベイクルーズストア」にて、同社が展開するセレクトショップ「JOURNAL STANDARD」とのコラボレーションが2021年7月2日より実施された。対象商品となるコラボレーションアイテムを受注期間中に予約すると、ノベルティとして描き下ろしイラストを使用した限定ブロマイドがプレゼントされた[9]。 脚注注釈
出典
参考文献
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