利用者:いすか/マナーもよりけり
このたとえ話は、いわずもがな犬食いのことです(本文中にもそう書いてますし)。私たち日本人にとって「お茶碗を持ってご飯を食べる」ということは「お行儀のよいこと」ですし、逆に犬食いは「お行儀悪」として忌避されています。これは常識と言えるでしょう。 ですが、「お茶碗を持つ」ということが逆に「お行儀悪」として扱われる場合も多々あります。この場合、どのようにするのが適切であるかを判断し、行動を変える必要があるでしょう。それは、お互いが気持ちよく食事をするための「マナー」でもあると言えるでしょう。 Wikipediaに限らず、他者と議論・コミュニケーションを取る場合においても、似たようなことが言えます。もちろん、大多数に受け入れられるようなたち振る舞いをすることは重要なことです。普通に敬語で話すべき時にそうしないのは「お行儀悪」と言えます。普通にお茶碗を持って食事をすればいいのに、犬食いをすれば怒られることだってあるでしょう。 しかしながら、考え方の違いや、あるいは意識の差、自分との関係などを考慮し、普通に敬語をもって会話することよりも効果的な話し方ができるならば、もしくは普段通り話すことによって何らかの不具合が発生する可能性があるならば、普段のやりかたにこだわるべきではないでしょう。 「相手によって話し方を変える」というのは、犬食いなどと違い、決して文化的な背景があることではありませんが、「相手のことを考え、より受け入れられる(or受け入れられやすい)方法を取る」という点について、共通点があるのではないでしょうか。そして重要なことは、議論やコミュニケーションにおいて、「相手に伝わらない言葉では意味がない」ということです。 私、もしくはあなたが取っているその方法は、「相手に真意を伝える上でもっとも効果的な方法」ですか?もし、そのコミュニケーション中に違和感や齟齬を覚えるようならば、あるいは実際にトラブルになっているようならば、別の方法を考えるという手段も考慮に値するかもしれません。もっとも、「相手のことを考えて」という点が重要なのは、言うまでもありません。「暴言を吐け」と言っているわけではありません!「相手を考える」というのはそういうことでもあるのです。 「マナーを守る」ということは「方法を守る」のではなく、「なぜその方法を取らないといけないのか」を考えて「その精神を守る」ということです。臨機応変に行きましょう。 |