使徒書
使徒書(しとしょ)は、日本のキリスト教において、大きく分けて2つ、厳密には3つの語義を持つ用語である。 当記事では、語源を同じくする 1. と 2. について記す。 使徒にまつわる書物全般として1. の語義では、『使徒言行録』、『書簡(使徒書簡)』、『ヨハネの黙示録』が、このカテゴリーに含まれる。 『新約聖書』を大きく2つに分けて、イエス・キリストの生涯を記した伝記・語録である『福音書』と対になる言葉で、キリストの昇天と聖霊降臨ののち、使徒(イエスの弟子)たちの働きと考えを記した書物群という意味である。 カトリック教会[2]、聖公会[3]と、ルーテル教会[4]など比較的伝統的・あるいはエキュメニカルなプロテスタント諸教派[5][6]で用いられる言葉である。 ミサ・聖餐式やその他の礼拝において、おもに第1朗読では『旧約聖書』、第2朗読ではこの語義での『使徒書』が朗読され、その後『福音書』が朗読される。あるいは、この語義での『使徒書』と『福音書』の2つを朗読する場合もある。多くの場合、朗読箇所は聖書日課に従う。 『使徒書簡』を指す言葉として2. の語義は、より本来的な言葉である。原語である古代ギリシア語: ἐπιστολή は「書簡」という意味であり、そこから派生した欧州の言語(英語: Epistle/複数形:Epistles, ラテン語: Epistula/複数形:Epistularum, 現代ギリシア語: Επιστολή/複数形:Επιστολές)でも、おもに『書簡(使徒書簡)』のことを指す言葉である。これが定義拡張されて 1. の語義となった。そのため、 1. の語義を的確に表す欧州言語は無い。 脚注
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