佐須村
佐須村(さすむら)は、長崎県下県郡にあった村。1956年(昭和31年)に厳原町・久田村・豆酘村と合併し、改めて発足した厳原町の一部となった。 現在の対馬市厳原町の北西部にあたる。 地理対馬島の南部に位置する。対馬における「佐須」の地名の由来について、『津島紀事』のうち佐須郷の項目のによれば、波浪や河川が運ぶ土砂によって形成された「砂州」にちなむとされる[1]。
沿革当村域の一帯について、中世は「佐須郡」の一部、近世は「佐須郷」の一部に属した[2][3][4]。また『津島紀事』によれば、佐須郷内には9村[5]が属していたとされる[4]。佐須郷は対馬島内の他の各郷とともに明治5年に廃止された[4]。
地名大字を行政区域とする。
産業佐須川沿岸の樫根・下原に所在する対州鉱山は、天武天皇年間に初めて銀を採掘し朝廷へ献上した歴史を持つ。江戸期の徳川家光の代では銀とともに鉛の産出が行われ、明治以降は鉛や亜鉛等の産出を主とする。所有者を転々とした後、1939年(昭和14年)に日本亜鉛(後の東邦亜鉛)が鉱山一帯を買収した。戦時中の休山を経て1948年(昭和23年)に操業を再開したが、採掘に伴う河川や田畑の汚染が懸念された[7][8][9]。 新設の厳原町発足以降、鉱山周辺地域のカドミウム汚染が判明する。また鉱床の枯渇もあり、1973年(昭和48年)12月までに閉山となった。閉山以降は公害防除を目的とした土地改良事業の一環として、鉱山周辺の農地復旧工事が行われている。 名所・旧跡佐須村出身の著名人参考文献脚注
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