仲よし手帖
『仲よし手帖』(なかよしてちょう)は、長谷川町子による日本の漫画作品。大日本雄辨會講談社の雑誌『少女倶楽部』で1940年(昭和15年)1月号から1942年(昭和17年)12月号まで連載された後、終戦を挟んで光文社の雑誌『少女』へ移籍し1949年(昭和24年)から1951年(昭和26年)まで連載された。 概要両親が北海道に赴任するため祖父母を頼って上京した女学生のウメコと、転校先の女学校でウメコの友人となったマツコとタケコの女学生三人組の笑いに溢れる学生生活を描いた学園漫画である。なお、講談社『少女倶楽部』連載分(以下「戦前版」)は戦前に描かれているため皇紀が使用されている箇所がある。 戦後に光文社『少女』で連載を再開しているが、戦前版とは絵のタッチやコマ割り、ストーリー展開に至るまで再開後の『少女』版(以下「戦後版」)および単行本(後述)とは全く異なっている。長谷川は戦前版の連載状況について「戦前仲よし手帖という漫画を連載していたが検閲やら何やらで折角のアイデアがめちゃめちゃにされとても嫌だった」と語っている[1]。 登場人物
単行本最初の単行本は、1949年(昭和24年)から1951年(昭和26年)にかけて姉妹社から全2巻が発行された。単行本化の際に大幅な加筆修正が行われており、戦前版はもちろん戦後版とも絵柄がまったく異なっている。この姉妹社版は一時絶版となっていたが、1983年(昭和58年)に復刊された。ただし、復刊に際しては旧版の原稿紛失により描き直された箇所が存在しており、表紙のデザインも異なっている。 姉妹社版
朝日新聞社版1993年(平成5年)に姉妹社が廃業した後、朝日新聞社から刊行された長谷川町子全集第31巻に『新やじきた道中記』との合本として採録された。2001年(平成13年)には同社が刊行する朝日文庫の連続企画「長谷川町子傑作漫画集」の最終巻として漫画文庫化されている。表紙画は全集・文庫とも姉妹社復刊版の下巻と同じものを使用している。
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