任意の体 K について、K の代数的拡大かつ代数的に閉である体が存在して同型を除いて一意に定まり、K の代数的閉包と呼ばれる[2]。K の代数的閉包は Kalg や K, ˆK のように書かれる。K の任意の代数拡大L は K に K 代数の準同型写像によって埋め込むことができ、そのような埋め込みの数は L の K 上の分離指数と呼ばれる。
濃度による一意性
α を非可算無限濃度とするとき、任意の標数p について、標数 p で濃度が α であるような代数的閉体は同型をのぞいて一意に定まる。実際、そのような代数的閉体は k を素体(つまり Q または Fp)として k((Xβ)β∈α) の代数的閉包と同型になっていることが、超越基底の存在と代数的閉包の一意性から従う。任意の有限体は代数的閉体にはなりえない。可算無限濃度の代数的閉体は、k を素体、α を可算濃度として k((Xβ)β∈α) の代数閉包なるものが考えられ、これら[どれ?]は互いに非同型なので可算無限濃度の代数的閉体はそれぞれの標数について可算個の同型類があることが分かる。
特定の標数の代数的閉体について、一階述語論理で加法・乗法・加法や乗法の単位元を組み合わせて記述できるような命題の真偽は、どの代数的閉体で考えても同じになる(標数 p の代数的閉体の公理系は完全な理論である)。さらに、量化子を含んだ命題で指定されるような代数的閉体の直積の部分集合は、実際には量化子を含まない命題で指定することができる(量化記号消去)。
Steinitz, Ernst (1930), Algebraische Theorie der Körper. Neu herausgegeben, mit Erläuterungen und einem Anhang: Abriß der Galoisschen Theorie versehen von Reinhold Baer und Helmut Hasse, Berlin / Leipzig: Walter de Gruyter, ISBN978-3-111-11554-2
Steinitz, Ernst (1950), Algebraische Theorie der Körper. Neu herausgegeben, mit Erläuterungen und einem Anhang: Abriß der Galoisschen Theorie versehen von Reinhold Baer und Helmut Hasse, New York: Chelsea Publishing Company