二十世紀の十大小説
『二十世紀の十大小説』(にじっせいきのじゅうだいしょうせつ)は、文芸評論家・篠田一士の文芸エッセイ。自身の読書経験から「二十世紀文学の一級品」10篇を選び一つ一つ解説したもので、1985年から1988年にかけ『新潮』で連載され、1988年に新潮社で刊行された。題名に関しては篠田は、モームの著書『世界の十大小説』が記憶の隅にあったと述べている。 取り上げられる作品は以下の10作品(掲載順)。著者自身が述べているように、『百年の孤独』以外はすべて1920年代から1930年代に集中している。
モームの『十大小説』とは異なり、作家の伝記にはそれほど重きを置かず、引用を行なった上での作品解説や、著者が作品に触れた当時のエピソード、「十大小説」中のほかの作品との比較、といったことを中心に構成されている。 島崎藤村の『夜明け前』が「近代日本文学の大いなる精神の冒険」の成果であり、プルーストをはじめとする「西洋に対抗しうる文学を創りだした」ことを論じている。 書誌
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