上海蔚来汽車
上海蔚来汽車(英語: NIO Inc. 拼音: )は、中華人民共和国の自動車会社。英名から日本ではニーオまたはニオともいう[1]。 概要創業以来、電気自動車(EV)のみを発売しており、量産は江淮汽車が担当する[2]。中国新興EVメーカーの「御三家」の一角とされる[3]。 企業としては、中国版テスラ(アメリカの新興自動車メーカー)とも評され2010年代後半から著しい成長を遂げたが、2020年代前半は苦しい経営状態が続いた。2022年の販売台数は前年度比で34.0%増の12万2,486台を達成、売上高は前年比36.3%増の492億686万元を記録したが、純損益は145億594万元の赤字[4]。 2023年の販売目標は前年の2倍に当たる25万台に設定したが、2023年4月から6月期の純損失は前年同期比約28%増の61億元に増加。同年11月にはコストを減らし資源を再配分するとして、従業員2万7000人のうち10%を目処に人員の解雇を行った[5]。 沿革
特徴車載バッテリー交換方式NIOのEVにおける最大の特徴は、バッテリー交換方式(BaaS(Battery as a Service))を提供している点である[17][18][19]。 NIOのEVは、バッテリーを充電する必要がなく、専用の交換所でバッテリーごと交換できる(充電も可能)。交換所の前に車両を駐車し、充電ボタンを押せば、自動運転で車両が交換所内に入る。交換所の機械が車両を少し持ち上げ、車両下部にあるバッテリーを取り外し、完全に充電されたバッテリーを設置する。この一連の過程は全自動で行われる[17][18]。 優位点最大の長所は交換時間の短さであり、バッテリー交換に要する時間は5分以内。NIO側は「放電された交換用バッテリーを再充電するには20~30分程度かかる。交換所一カ所で14個のバッテリーパックで一日合計312回交換できる」と説明している。2018年5月、中国でバッテリー交換所を初めて設置した後、2022年7月までに中国だけで1千箇所の交換所を設置し、稼動中である[20][17]。 交換式使用はサブスクリプション方式で運営されているので、車両購入価格の抑制にも繋がる。例えば、ES6は、車両価格の約40%にのぼるバッテリー価格(約2万ドル)を除いた金額で購入できる。100kWhのバッテリーは月224ドル、70kWhのバッテリーは月148ドルで使用できる[17]。 十分数のバッテリーがある場合、電力需給の安定にも貢献する。充電式の場合、同時に多くのEVがコンセントに接続されたときの電力需要の急増に対応しなければならず、多くの電力網システムが交換やアップグレードを必要とする。交換式であれば、交換後の空のバッテリーは、電気が安く需要が低いときに充電しておくことができる[19]。 課題バッテリー交換というアイデアは新しいものではなく、過去にはルノーと提携したベタープレイスや、EVメーカーとして成功しているテスラが挑戦したが、失敗している[18]。 コストの高さが最大の課題である。2021年発表のデータでは、交換ステーションの建設は充電ステーションの倍以上の金額がかかるとされる。さらに、バッテリーの在庫を補充するための費用も嵩む。[18] ラインナップ
事故
ギャラリー
出典
関連項目
外部リンク
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