一水寮(いっすいりょう)は、東京都新宿区横寺町に所在する歴史的建造物(民家)である。登録有形文化財に登録されている。
概要
一水寮は、1951年(昭和26年)、高橋博が開設した高橋建築事務所によって、現在地に大工寮として建られたものである[1][2]。高橋は、山口県出身の建築家で、イギリスのロンドンで建築を学び、帰国後の昭和初期、神楽坂地区に高橋建築事務所を開設していた[2]。
一水寮は、数年後、隣家からのもらい火で、屋根、小屋裏を焼いたが、住込みの大工の手により復旧した。その後、数度にわたる改修工事が行われた後、大工寮から一般の貸出アパートへと使用目的が変更された[3]。
1990年(平成2年)、アパート経営をやめ、高橋博の娘婿である鈴木喜一の住宅兼建築設計事務所となり、1995年(平成7年)には、建築設計事務所のスタッフ、学生、芸術家、編集者などの住居となる[3]。2016年(平成28年)には、耐震補強を含めた改修工事が行われ、現在は店舗・事務所として使用されている。
なお、同じく高橋博の設計により1947年(昭和22年)に建築された鈴木家住宅主屋、及び、1954年(昭和29年)に建築された高橋建築事務所社屋も、登録有形文化財に登録されている[4][5]。
沿革
- 1951年(昭和26年) - 高橋博の設計で現在の一水寮(当初は大工寮だった)が建てられた[2]。
- 年代不詳(昭和30年代初期) - 隣家からのもらい火で、屋根、小屋裏を焼いたが、住込みの大工により復旧した[3]。
- 1955年(昭和30年) - 高橋博の設計により改修工事が行われた。[要出典]
- 年代不詳 - 大工寮から一般のアパートに転換[3]。
- 1990年(平成2年) - 住宅兼建築設計事務所になる[3]。
- 1995年(平成7年) - 建築設計事務所のスタッフ、学生、芸術家、編集者などの住居となる[3]。
- 2010年(平成22年) - 鈴木喜一建築計画工房により改修工事が行われた[6]。
- 2013年(平成25年)3月29日 - 登録有形文化財に登録される。
- 2016年(平成28年) - 改修工事が行われた。
文化財
- 登録有形文化財(建築物)
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- 一水寮
- 登録年月日 - 2013年(平成25年)3月29日(種別:住宅/建築物、登録基準:国土の歴史的景観に寄与しているもの)。
- 年代 - 1951年(昭和26年)頃建築、1955年(昭和30年)改修、木造2階建、鉄板葺、建築面積96 m2[7]。
交通
- 鉄道
- • 都営大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩8分
- • 東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩4分
ギャラリー
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公道南東側より南側外観を見る(2016年10月23日撮影)
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公道南東側より南・東側外観を見る(2016年10月23日撮影)
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公道より東側2階の外観を見る(2016年10月23日撮影)
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南面より玄関内部を見る(2016年10月23日撮影)
脚注
参考文献
- 『日本建築学会計画系論文集 77巻680号』松井大輔・窪田亜矢著「神楽坂花街における町並み景観の変容と計画的課題」2012年10月
- 粋なまちづくり倶楽部編著『粋なまち神楽坂の遺伝子』東洋書店、2013年
関連項目
外部リンク
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