『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』(A Night At The "Village Vanguard" )は、ジャズ・サックス奏者ソニー・ロリンズのライブ・アルバム。1957年11月3日、ニューヨークのジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードで行われた演奏を収録している。レコード番号BLP1581。
解説
ロリンズにとって初のライブ・アルバムであり、また、会場のヴィレッジ・ヴァンガード側としても、本作で初めて実況録音の舞台となった。この会場はその後、ビル・エヴァンスの『サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』『ワルツ・フォー・デビイ』、ジョン・コルトレーンの『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』といった、ジャズ史に残るライブ・アルバムの舞台となった。
ロリンズは当日、午後の部で5曲、夜の部で15曲演奏。午後の部と夜の部ではバック・バンドが違うが、いずれもサックス・ベース・ドラムの3人編成。夜の部ではエルヴィン・ジョーンズと初共演した。プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、この日の録音のうち4曲を破棄し、残り16曲から6曲を選んでアルバムに収録した。「チュニジアの夜」は午後の部からで、あとは夜の部からの選曲。
収録曲
- オールド・デヴィル・ムーン - Old Devil Moon(B. Lane, E. Y. Harburg)
- 朝日のようにさわやかに - Softly, As in a Morning Sunrise(O. Hammerstein II, S. Romberg)
- ストライヴァーズ・ロウ - Striver's Row(Sonny Rollins)
- ソニームーン・フォー・トゥー - Sonnymoon for Two(S. Rollins)
- チュニジアの夜 - A Night in Tunisia(D. Gillespie, F. Paparelli)
- 言い出しかねて - I Can't Get Started(V. Duke, I. Gershwin)
コンプリート・ヴィレッジ・ヴァンガードの夜
当日の録音のうち、廃棄されず倉庫に眠っていた10曲は、1970年代になって発掘・発売された。そして1999年、オリジナル盤のレコーディング・エンジニアだったルディ・ヴァン・ゲルダーの監修とリマスタリングにより、16曲全部を演奏された順に並べた2枚組CD『コンプリート・ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』が登場。日本では2007年10月現在、『コンプリート・ヴィレッジ・ヴァンガードの夜Vol.1』と『~Vol.2』の2枚がバラ売りとなっている。
収録曲
- Vol.1
- チュニジアの夜 - A Night In Tunisia(D. Gillespie, F. Paparelli)
- アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン - I've Got You Under My Skin(Cole Porter)
- チュニジアの夜(イヴニング・テイク)
- 朝日のようにさわやかに(別テイク)
- フォア - Four(Miles Davis)
- イントロダクション - Introduction
- ウディン・ユー - Woody'n' You(D. Gillespie)
- イントロダクション -Introduction
- オールド・デヴィル・ムーン - Old Devil Moon(B. Lane, E. Y. Harburg)
- Vol.2
- 恋とは何でしょう - What Is This Thing Called Love(C. Porter)
- 朝日のようにさわやかに - Softly, As In A Morning Sunrise(O. Hammerstein II, S. Romberg)
- ソニームーン・フォー・トゥー - Sonnymoon For Two(Sonny Rollins)
- 言い出しかねて - I Can't Get Started(V. Duke, I. Gershwin)
- 四月の思い出 - I'll Remember April(Raye, DePaul, Johnston)
- ゲット・ハッピー - Get Happy(H. Arlen, T. Koehler)
- ストライヴァーズ・ロウ - Striver's Row(S. Rollins)
- オール・ザ・シングス・ユー・アー - All The Things You Are(O. Hammerstein II, J. Kern)
- ゲット・ハッピー(ショート・ヴァージョン)
演奏メンバー
参考文献