ヴィクティマエ・パスカリ・ラウデス

ヴィクティマエ・パスカリ・ラウデスラテン語: Victimae Paschali Laudes)『復活のいけにえに』はキリスト教カトリック教会聖歌の一つ。

中世に多く書かれたセクエンツィアの一つで、復活祭ミサのためのもの。ブルゴーニュ出身で神聖ローマ皇帝コンラート2世のシャプラン(宮廷付き聖歌隊長)であったヴィポ Wipo(活動 1020頃-1040頃)の作とされる。

イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギによるグレゴリオ風協奏曲(1921年)2楽章冒頭のヴァイオリンソロ等に引用されている。

テキスト

  [A]   Victimae paschali laudes     過ぎ越しのいけにえに
Immolent Christiani. 賛美をささげよ、キリスト者たちよ。
 
[B] Agnus redemit oves 子羊が羊を贖い。
Christus innocens Patri 罪のないキリストが父に
Reconciliavit 罪びとたちを
Peccatores. とりなされた。
 
Mors et vita duello 死と命とは戦い
Conflixere mirando, 驚くべき仕方でぶつかりあう。
Dux vitae mortuus 命の王は、死ぬことで
Regnat vivus. 生きて治められる。
 
[C] Dic nobis Maria マリアよ、私たちに告げよ。
Quid vidisti in via? あなたが道で見たものを。
Sepulcrum Christi viventis 生きているキリストの墓を
Et gloriam vidi resurgentis. そして蘇られた方の栄光を、わたくしは見た。
 
Angelicos testes 証しする天の使と
Sudarium et vestes. 布と服を。
Surrexit Christus spes mea 私の希望、キリストは復活し
Praecedet suos in Galilaeam. ガリラヤに行き、待っておられる。
 
[D] Credendum est magis soli 真を語るマリアを
Mariae veraci 信ぜよ
Quam Iudaeorum 嘘を語る
Turbae fallaci. ユダヤの群集ではなく。
 
Scimus Christum surrexisse 私たちは知っている。キリストが
A mortuis vere. 真に死から立ち上がられたことを。
Tu nobis victor Rex 勝利の王であるあなた、どうか私たちを
miserere. あわれみたまえ。
 
[E] Amen, Alleluia. アーメン(かくあれ)、アレルヤ(神を讃えよ)

1570年以降、カトリック教会では[D]の前半の歌詞は歌われない。

関連項目