ワンダーウォール〜京都発地域ドラマ〜
『ワンダーウォール』は、NHK京都放送局制作による「京都発地域ドラマ」としてNHK BSプレミアムで2018年7月25日の21時から21時59分に放送された日本のテレビドラマ。廃寮の危機に瀕した京都の歴史ある学生寮「近衛寮」を舞台に、老朽化による建て替えを巡る大学側と寮生側との対立を描いた青春物語。 NHK総合テレビで9月17日の14時から14時59分に再放送された[1][2]。 『ワンダーウォール 劇場版』(ワンダーウォール げきじょうばん)と題して映画化され、2020年4月10日より公開された[3][4]。 企画・制作連続テレビ小説『カーネーション』の脚本家渡辺あやが4年ぶりに脚本を描き下ろした作品である[5]。百年以上の歴史のある「京宮大学」の自治寮「近衛寮」を舞台に、寮舎を補修しながら残したい寮側と、他の建物に建て替えたい大学側の対立を描いたフィクション[2][6]。渡辺は本作執筆にあたり本作の設定と似た境遇に置かれた京都大学吉田寮を取材し、大学側と寮側の双方に言い分がある状況を一大学の問題として留めることなく、より普遍的な問題としてより多くの人へ問題提起できないかとして作品化された[7]。 京都大学吉田寮の「寮生追い出し」問題を題材にしており、ドラマに描かれた状況と同じことが吉田寮では実際に起きている[7]。 放送終了後にSNSで反響を呼び、NHK BSプレミアムにて8月25日に、NHK総合にて9月17日に再放送された。また9月には、キャラクターデザイン等を担当した澤田石和寛が写真家・澤寛として撮影したシナリオ付写真集『ワンダーウォール』が誠光社より発売、写真集発売を記念して劇中スチール写真を展示した『「ワンダーウォール」展』が開催された[2][8]。 ロケ地あらすじ舞台は、京宮大学の学生寮、近衛寮である。築105年、かなり老朽化が目立つ木造建築である。 3回生のキューピー(須藤蓮)は、4年前高3の夏期講習の時、学生寄宿舎・近衛寮のことを知って、ここに入寮するために京宮大学に入ろうと思い立った。 学生たちの自治で運営される学生寮は、麻雀に明け暮れるやつやホコリを被って積み上げられてる本棚、書き込み一杯の掲示板、住み着いている野良猫に、大学の吹き溜まりのような毎日だ。1989年にベルリンの壁が壊された時、世界には国と国を隔てる壁は16しかなかったが、2018年には、建設途中のも含めて65もある。 そして、半年前、学生たちと大学との間に新たな壁ができた。2017年、学生部学生課の窓口に新たな壁が作られた。 寮の学生たちと大学の学生部学生課の間に、半年前、壁が作られたのだ。 対立の原因は、築105年になる近衛寮の建て替え問題、学生たちは補修存続が希望。交渉は既に10年を越えている。 寮生たちは代々団体交渉の記録を残し、大学との交渉のしかたを後輩に引き継いできた。 そして2017年12月、大学側は寮生に翌年9月に寮を明け渡すように命令する。さっそく寮生は学生課に抗議に行く。 3回生のキューピー、1回生のマサラ(三村和敬)らが学生課へ向かう。矢面に立つのは、4回生の三船。 学生課では仏頂面の中年女性、寺戸(山村紅葉)が、これまで学生たちを突っけんどに相手し、テトラポッドならぬテラドポットと陰口を叩かれてきた。 しかしその日、彼らの相手に出てきたのは、妙齢の女性。これまで抗議活動でのリーダー役だった三船が、彼女を見た途端、何も言わずに引き下がってしまう。寮に帰ったキューピーもマサラも憤懣やるかたない気分を抑えられない。マサラは説明を求めようと4回生の三船や志村を捜す。 そこへ何と、昼間の学生課の女性が三船に会いたいと寮を訪れる。彼女は志村の部屋に上がり、寝転がっていたドレッドも美女の登場に慌ててこたつを囲む。 彼女は実は三船の姉で、三船は姉を見て困って出て行ったのだった。 彼女は最近まで、同じ大学の大学院生だったいわゆる先輩、今は派遣社員。彼女は、学生たちは勝ち目がない、と打ち明ける。大学は老朽化を理由に寮の取り壊しを主張しているが、実は跡地の利用が目的だった。 医学部の研究棟を建てて、補助金を国から引き出すのが狙い、その金額が大きくて、寮のことなど眼中にないというのだ。 しかし、同時に彼女は寮生の闘争を励ます。経済至上主義のせいで自殺する学生が出ている。そしてオンボロ寮を学生が守ってきたのは、この寮が幸福というものに関係しているからに違いない。ドレッドが頑張りますと答える。 2019年.寮生の数は減ったがまだ近衛寮は存在している。3月に三船と志村は卒業していった。そして大学は15人の寮生を相手に訴訟を起こした。 登場人物
スタッフ
放送日程
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映画
『ワンダーウォール 劇場版』(ワンダーウォール げきじょうばん)と題し、未公開カットを加えたディレクターズカット版が2020年4月10日より京都・出町座などで劇場公開された[3][4]。 キャスト→「§ 登場人物」を参照
スタッフ(映画)
脚注
外部リンク
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