ロールス・ロイス・ファントムV
ファントムV(Phantom V )はロールス・ロイスが1959年9月[1][2]から1968年まで[2]製造した乗用自動車である。 1968年ファントムVI発売に伴い製造中止され、製造台数は516台であった[2][3]。有名な個体としてはエリザベス2世専用車「キャンベラI/II」がある[2]。 概要名称からすればファントムIVの後継だが、実態はシルヴァーレイスの後継[1][2]に近く、シルヴァークラウドIIのカスタムコーチワーク版大型シャシ[1]であり、基本的構成、サスペンションやブレーキ、エンジンも共通である[1]。 機構90度V型8気筒エンジン、内径φ4.1in=約104.14mm×行程3.6in=約91.44mmの6,227cc[3]。 トランスミッションは4速AT[3]で、その車重に対応するためファイナルはシルヴァークラウドIIの3.08から3.88に下げられたが、最高速は165km/hを超え、0-50mph9.7秒、SS1/4マイル19.4秒と並みの実用車には追随できない運動性能を持っていた[1]。それでも室内はほとんど無音で、乗り心地も非常に重厚かつフラットであった[1]。 コーチワークを行なったのはパークウォード、H・J・ミュリナー、ジェームズ・ヤングのみとなった[1]。ジェームズ・ヤングは比較的スタイリッシュな5/6座ツーリングリムジンも作ったが、ほとんどは7/8座リムジンであった[1]。1961年には前2社が合併してH・J・ミュリナー・パークウォードとなり、1966年にステイツランドレーを発売している[1]。 価格はシャシでこそ£3130とシルヴァークラウドIIと大差なかった[注釈 1]が、完成車はパークウォードリムジン£6285などスタンダードサルーンより50%以上高価になった[1]。 リアの油圧ダンパーはタウンとパレード用、ラフロードと高速用[注釈 2]の2段階に調節可能である[1]。 パワーステアリングは路面感覚が希薄だと批判され1959年に改良された[1]。1963年シルヴァークラウドIIIへの改良に伴いエンジンが仕様変更を受け[2]、またヘッドライトが四灯式となった[1][2]。 脚注注釈出典参考文献
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