ロバート・ライシュ
ロバート・バーナード・ライシュ (英語 : Robert Bernard Reich , 1946年 6月24日 - )は、アメリカ合衆国 の経済学者 、文筆家、カリフォルニア大学バークレー校 公共政策大学院教授。これまで、ハーバード大学 ケネディスクール 教授、ブランダイス大学 社会政策大学院教授、アメリカ合衆国労働長官 を歴任している。
姓の Reich は、フランス語 読みで「ライシュ」、ドイツ語 読みで「ライヒ」となるが、本人母国のアメリカではこの双方が通用し、人によってその読み方は異なっている。
略歴
主な業績
クリントン 政権下の1993年から1997年に第32代労働長官を務めた。
1991年に発表した The Work of Nations: Preparing Ourselves for 21st Century Capitalism (邦訳『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』)で、アメリカの富の大部分は人口における二割にすぎない「シンボリック・アナリスト 」(symbolic analysts )なる階層のものとなり、それ以外の階層である「対人サービス業者」「ルーティン肉体労働者」との断絶が激しくなるとの見通しを発表して、格差社会 の到来を予言した。なお、シンボリック・アナリストとは、「象徴分析者」と和訳できるが、知識労働者 と同じような意味である。問題を発見し、必要な人材、モノ、資金、情報などを集め、問題を解決する、という行動パターンで富を得る人たちである。
著書
邦訳 : 雨宮寛・今井章子訳『最後の資本主義』 東洋経済新報社 2016年 ISBN 978-4492444405
2012: Beyond Outrage: What Has Gone Wrong with Our Economy and Our Democracy, and How to Fix It ISBN 978-0345804372
邦訳 : 雨宮寛・今井章子訳『ロバート・ライシュ 格差と民主主義』 東洋経済新報社 2014年 ISBN 978-4492444009
邦訳 : 雨宮寛・今井章子訳『余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる』 東洋経済新報社 2011年 ISBN 978-4492443804
2007: Supercapitalism: The Transformation of Business, Democracy, and Everyday Life ISBN 0-307-26561-7
邦訳:雨宮寛・今井章子訳『暴走する資本主義』東洋経済新報社 2008年 ISBN 978-4492443514
邦訳:石塚雅彦訳『アメリカは正気を取り戻せるか―リベラルとラドコンの戦い』東洋経済新報社 2004年 ISBN 978-4492222546
邦訳:清家篤訳『勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来』東洋経済新報社 2002年 ISBN 978-4492222232
邦訳:中谷巌訳『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ—21世紀資本主義のイメージ』ダイヤモンド社 1991年 ISBN 978-4478210185
邦訳:竹村健一訳『ネクスト・フロンティア』三笠書房 2000年 ISBN 978-4837953821
1982: Minding America's Business: The Decline and Rise of the American Economy (Ira Magaziner との共著) ISBN 0-394-71538-1
脚注
^ 「みんなのための資本論」
^ ロバート・ライシュが案内人となって、アメリカの経済格差の問題に迫るドキュメンタリー (Newsweek)
関連項目
竹村健一 - 『シンボル・アナリストの時代』なる著書で「シンボリック・アナリスト」についてのライシュの考え方を紹介した。
勝間和代 - 『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』(神田昌典 との共著)のなかで、愛読書としてライシュの本を挙げている。
栗本慎一郎 - 『大転換の予兆 』『成り行き大国ニッポン』などの著書で、「シンボリック・アナリスト」に注目している。
外部リンク