『レフュジー』(Refugee)は、イングランドのロック・トリオのレフュジーが1974年に発表したデビュー・アルバム。
解説
経緯
1973年夏、メインホースのパトリック・モラーツ(キーボード)は元ザ・ナイスのリー・ジャクソン(ベース・ギター、ボーカル)に出会った。スイス人のモラーツは当時、イギリスでの活動に不可欠な労働許可証の発行に支障をきたして、メインホースでの活動がままならなくなっていた。一方、ジャクソンも当時率いていたジャクソン・ハイツ[注釈 1]からキーボーディストとギタリストが脱退したので、活動できない状態だった。ジャクソンはモラーツをジャクソン・ハイツに勧誘するが、モラーツは元ザ・ナイスのブライアン・デヴィソン(ドラムス)を誘って新しいトリオを結成することを提案した。デヴィソンはザ・ナイス解散後に結成したエヴリ・ウィッチ・ウェイ[注釈 2]が1971年の春に解散していたので、2人に合流した。
彼等はトリオ名を「レフュジー」として、ザ・ナイスが解散した時のマネージャーであったトニー・ストラットン・スミスをマネージャーとして、スミスが設立したカリスマ・レコードと契約を結んだ。そしてライブ活動を始める為に数か月のリハーサルを行って、1973年12月2日のロンドン公演でデビューした。翌1974年2月、ロンドンのアイランド・スタジオ[注釈 3]でジョン・バーンズをプロデューサーに迎えて本作を製作した。
内容
計6曲の収録曲は、モラーツの単独作の「パピヨン」と「リット・ミックリー」とを除いて、モラーツとジャクソンの共作による。
「パピヨン」は、最初はピアノ曲として録音された[注釈 4]。「リット・ミックリー」の題は、録音中にモラーツが"rhythmically"と言ったのをデヴィソンが"Ritt Mickley”という人名と聞き間違えたことに由来する。
組曲「グランド・キャニオン」は、モラーツがグランド・キャニオンの大自然を取り上げたBBCのドキュメンタリーを観て曲を書き、ジャクソンに歌詞を要求したもの。ジャクソンは図書館からグランド・キャニオンの本や地図を借りて歌詞を練り上げた。組曲「クレド(信教)」の歌詞は、カトリックに対するジャクソンの反芻を描いている。「サムディ」はジャクソンの最初の結婚生活の破綻を取り上げた。
収録曲
- CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「Papillion (パピヨン)」 | Patrick Moraz | |
2. | 「Someday (サムディ)」 | Moraz, Lee Jackson | |
3. | 「Grand Canyon Suite (グランド・キャニオン組曲)
- The Source (ファースト・ムーヴメント:ザ・ソース)
- Theme for the Canyon (セカンド・ムーヴメント:キャニオンのテーマ)
- The Journey (サード・ムーヴメント:ザ・ジャーニー)
- The Rapids (フォース・ムーヴメント:ラピッズ)
- The Mighty Colorado (フィフス・ムーヴメント:ザ・マイティ・コロラド)」
| Moraz, Jackson | |
4. | 「Gatecrasher (ゲイト・クラッシャー)」 | Moraz, Jackson | |
5. | 「Ritt Mickley (リット・ミックリー)」 | Moraz | |
6. | 「Credo (組曲「クレド(信経)」)
Prelude (ファースト・ムーヴメント:前奏曲)
I Believe, Pt. 1 (セカンド・ムーヴメント:アイ・ビリーヴ)
Credo Theme (サード・ムーヴメント:主題)
Credo Toccata & Song (The Lost Cause) (フォース・ムーヴメント:ザ・ロスト・コーズ)
Agitato (フィフス・ムーヴメント:アジテート)
I Believe, Pt. 2 (シックスス・ムーヴメント:アイ・ビリーヴ・パート2)
Variation (セヴンス・ムーヴメント:変奏曲)
Main Theme & Finale (エイス・ムーヴメント:メイン・テーマ・フィナーレ)」 |
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson, Jean Ristori
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson
Moraz, Jackson | |
合計時間: | |
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参加ミュージシャン
- レフュジー
- パトリック・モラーツ – ミニ・ムーグ、AKS シンセサイザー、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、クラビネット、オルガン、パイプ・オルガン、マリンバフォン、アルプホルン、electronic slinky、メロトロン、ヴォーカル
- リー・ジャクソン – ベース、エレクトリック・チェロ、ギター、12弦アコースティック・ギター、リード・ヴォーカル
- ブライアン・デヴィソン – ドラムス、ティンパニ、ゴング、チベット・ベル、アフリカン・ドラム、カバサ、ブロークン・グラス
脚注
注釈
出典
引用文献
- Hanson, Martyn (2014). Hang on to a Dream: The Story of the Nice. London: Foruli Classics. ISBN 978-1-905792-61-0
関連項目