レティーロ駅
レティーロ駅(スペイン語: Estación Retiro)は、アルゼンチン・ブエノスアイレス特別区のレティーロ地区にある3路線、3つの駅舎からなる鉄道駅である。駅周辺は中心業務地区(CBD)であり、サン・マルティン広場に面している。 アルゼンチンでもっとも忙しい鉄道駅のひとつであり、ミトレ線、ベルグラーノ北線、サンマルティン線の3近郊路線のターミナル駅となっている。駅前および東側にはブエノスアイレスの主要なバスターミナルであるレティーロ・バスステーションがある。短距離路線バスのバス停やブエノスアイレス地下鉄のC線の駅にも接続している。 歴史フレンチスタイルの駅舎はイギリス人建築家のユースタス・L・コンダー、ロジャー・コンダー、シドニー・G・フォレット、技術者のレジナルド・レイノルズによって設計された。1909年6月に着工し、レティーロ駅は1915年8月1日にオープンした。鉄骨構造はイングランドのリヴァプールで作られ、アルゼンチンで再び組み立てられた。長年に渡り、南米の土木工学上もっとも重要な例であり、建築学上世界でもっとも優れた建築物のひとつであるとされた。1997年にはアルゼンチン歴史遺産に指定された[1]。 路線→「ブエノスアイレスの鉄道」も参照
近郊路線レティーロ駅はブエノスアイレス最大の近郊路線駅であり、他駅よりも多くの通勤列車が発着する。2016年時点ではアルゼンチン国鉄(Trenes Argentinos)とフェロビアスが運行する3つの主要路線がレティーロ駅とブエノスアイレス北部郊外を結んでいる[2][3]。このうちミトレ線は電化されており、ベルグラーノ北線は1,000㎜の狭軌となっている。 これら3路線は1948年の第一次国有化以前は全て違う会社であったため、各路線ごとに駅舎はデザインを含め異なっており、改札も各路線ごとである。
長距離列車通勤路線網の中心駅としての機能に加えて、ミトレ将軍鉄道およびサン・マルティン将軍鉄道のレティーロ駅は国内西部や北部に向かういくつかの長距離列車のターミナル駅でもある。2006年4月には、当時のネストル・キルチネル大統領が「ブエノスアイレス=ロサリオ=コルドバ高速鉄道」の建設計画を発表した際に、ブエノスアイレスのターミナル駅としてレティーロ駅が使用される予定であったが、国内の財政危機のために計画は停滞している。 新アルゼンチン国鉄(Trenes Argentinos)によってコルドバ州・コルドバ(アルゼンチン第2の都市)、ロサリオ、トゥクマン州・サン・ミゲル・デ・トゥクマン、ルフィーノ等と結ばれている。
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