レッドネック(英語: Redneck)は、アメリカ合衆国の南部やアパラチア山脈周辺などの農村部に住む、保守的な貧困白人層を指す用語である。職業は肉体労働者や零細農家が多い。プアホワイトやヒルビリーと同様に差別的な意味を含む言葉。
概要
南部の強い日差しの下で野外労働する白人は「首すじが赤く日焼けしている」ことから、この言い方で呼ばれるようになった。元来は南北戦争当時、北部の人間を“ヤンキー”、そして南部の人間を“レッドネック”と侮辱的に互いを呼び合っていたのが始まりと考えられる。現在では、その出身・居住地域や属性に関係なく、ある一定のステレオタイプに当てはまると思われる層がレッドネックと呼ばれている。
単純に白人貧困層を指す場合には、プアーホワイトという表現が使われる。ジョージア州及びフロリダ州出身者はクラッカー(英語版)、アパラチア山脈周辺の出身者はヒルビリー(英語版)と呼ばれる。アメリカ俗語辞典によれば、1975年までには農民だけでなく、工業労働者を含む「頑迷で保守的な人々全体」を指す傾向も出てきた。
元々は侮辱的な意味が強かったレッドネックという言葉だが、近年その田舎臭さや野性味を誇りとし自己のキャラクターとして主張する傾向も強くなってきている。また、逆にそのキャラクターや田舎臭さなどは、自虐的な笑いにも頻繁に使われている。
レッドネックの格好良さや誇りなどは、カントリーを中心とした音楽のPVや歌詞などで表現される。お笑いネタを使う人物としては、ジェフ・フォックスワーシー(英語版)やラリー・ザ・ケーブル・ガイなどが、南部訛りの英語でレッドネックに関するジョークを言う代表的なコメディアンがいる。
主な楽曲
- Rough and Ready
- トレース・アドキンス(英語版)
- ひ弱な都会人の男と対比し、「レッドネックの男は女にモテる」といったイメージを表現。
- Hicktown
- ジェイソン・アルディーン
- "Hicktown", つまり田舎町の良さを歌った曲。
- Redneck Woman
- グレッチェン・ウィルソン(英語版)
- レッドネック女性の逞しさやカッコ良さを歌ったグレッチェン・ウィルソンのデビュー曲。
- Redneck Yacht Club
- クレイグ・モーガン(英語版)
- 「内陸部に住むレッドネックは、海のかわりに湖や川でマリンスポーツやパーティーを楽しむ」という様子を表現。
脚注
- ^ 1980年代の右派、新自由主義の大統領。
- ^ 911貿易センター・ビルなどでの同時多発テロ時の大統領。アフガン戦争、イラク戦争を起こした
- ^ トランプ レッドネック 2022年12月16日閲覧
- ^ [ https://www.economist.com/special-report/2004/11/11/the-triumph-of-the-religious-right トライアンフ・オブ・ザ・レリジャス・ライト] 2022年12月26日閲覧
- ^ ケニー・ロジャース、ジョン・デンバー、ドリー・パートンらが有名な歌手である
- ^ メタリカ、スレイヤー、ラットなどが有名バンド
- ^ フェミナチの言葉を提唱した政治番組のパーソナリティー
- ^ ブルース・ウィリス主演の映画マーキュリー・ライジング(1998)に登場する銀行強盗の犯人グループに典型的に描かれている。
関連項目
外部リンク