リトルリーグ
リトルリーグベースボールとは、アメリカ合衆国発祥の少年少女を対象とする硬式野球のリーグ[1]。ただ、硬式ボールを使用するが、ルールは選手の発育に見合うように設定されており軟式野球とほぼ同じになっている[1]。 国際本部はアメリカ合衆国ペンシルベニア州サウスウィリアムズポートに置かれている。なお、リトルリーグは米国連邦政府に登録された商標であるため、各国の加盟団体は毎年国際本部に対して登録して認可を取得する必要がある[1]。 歴史1939年6月、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ウィリアムズポートでカール・ストッツが中心になって地元の少年12人が少年野球団を結成[2]。初めは、9歳から12歳までの少年で作られた3チームの小さな団体だった[2]。その後、1947年に第1回の世界選手権(リトルリーグ・ワールドシリーズ)が開始された[2]。正式な団体として成立したのは1964年7月16日で、当時のアメリカ大統領リンドン・ジョンソンの署名によって連邦政府認可の法人となった。1974年以降は少女のソフトボールチームもリトルリーグに加わった。2010年現在、世界にはリトルリーグのリーグは7,100以上あり、少年野球には217万人、少女ソフトボールには34万人の選手がいる[3]。 日本では1955年ごろ、東京都近郊にある5-6リーグでスタートし、1964年にリトルリーグ生誕25年を記念し、日本リトルリーグ協会(現・公益財団法人日本リトルリーグ野球協会)が設立され、1970年から三井物産・フジサンケイグループの支援で全日本選手権大会(1967年創立)などの全国大会を協賛するようになった。 ルールリトルリーグでは硬式ボールを使用するが、ルールは選手の発育に見合うように設定されており、軟式野球とほぼ同じで一部はソフトボールに似たルールもある[1]。以下はリトルリーグと一般の野球とのルールの相違点である。
チームリトルリーグでは地域社会との繋がりが重視されており、原則として居住している地域のリーグにしか入団できない[1]。複数のチームで地区のリーグを構成するが、地区のリーグにはバンダリー(地域割り)があるため、リーグを新設する場合は近隣のリーグと調整する必要がある[1]。各チームはスポンサーを募集してもよく、スポンサー企業名を帽子やユニフォームなどに表記することもできるが、スポンサー企業の業種には制限がある[1]。 組織国際本部リトルリーグ国際本部の理事会メンバーは各リーグから選出される[4]。リトルリーグ国際本部のメンバーは被雇用者、理事会メンバーはボランティアである[4]。 地域本部全世界に9つの地域本部が置かれている[4]。 地区責任者複数のリーグで構成される各地区には地区責任者(DA)やアシスタント(ADA)が置かれている[4]。 各リーグ各リーグは非営利組織として独自に運営管理を行うが、毎年国際本部から公認を受ける必要がある[4]。 リトルリーグ・ワールドシリーズ→詳細は「リトルリーグ・ワールドシリーズ」を参照
毎年8月にサウスウィリアムズポートの国際本部で開かれるリトルリーグ・ワールドシリーズは、アメリカ国内の各地区支部ごとの予選を勝ち上がった8チーム(アメリカ国内グループ)と、それ以外の地域(日本、アジア・オセアニア・中東[5]、カナダ、ラテンアメリカ、カリブ海諸国、メキシコ合衆国、ヨーロッパ・アフリカ、オーストラリア)の8チーム(インターナショナルグループ)に分かれて予選リーグを戦い、それぞれの1位チームが直接対決をしてリトルリーグの世界一を決める。 2021年のリトルリーグ・ワールドシリーズは2021年リトルリーグ国際パンデミック対策委員会からの提案で米国内のチームだけでの開催となった[6]。 米国のリトルリーグ団体リトルリーグは1964年7月16日に連邦政府認可の法人として成立し、アメリカ合衆国ではボーイスカウト活動や青少年赤十字団などと並ぶ社会活動団体になっている[2]。地区責任者(DA)の数は2011年現在508人である[4]。 年齢米国では4歳~18歳までを入団可能年齢としている[1]。 ワールドシリーズ優勝2020年までに米国チームが優勝した回数は36回で、カリフォルニア州の7回が最多である[6]。 日本のリトルリーグ年齢日本ではグラウンドや指導者の人数の関係で、4歳~8歳を中心とするティーボールリーグ、7歳~11歳までを中心とするマイナーリーグ、9~12歳を中心とするメジャーリーグに分かれている[1]。 全日本選手権優勝決定戦1967年、第1回全日本選手権優勝決定戦が行なわれた[7][8]。それ以前の1962年から1966年の間、日本は極東地区代表として出場していた。 詳細は、全日本リトルリーグ野球選手権大会を参照のこと。 全日本選手権→詳細は「全日本リトルリーグ野球選手権大会」を参照
全日本リトルリーグ野球選手権大会は、毎年4~6月に各地域連盟ごとの予選会(全国12地区)を開催し、それぞれの予選会優勝チームが6月下旬、ないしは7月初旬に一堂に会して日本一を決定する全日本選手権をトーナメント制で争う。平年は東京都の江戸川区球場、江戸川区臨海球技場で開かれるが、2004年度の大会は初めて兵庫県で開かれた。 2006年度までは全日本選手権の優勝リーグ(チーム)は、その直後(7月下旬)にアジア・オセアニア各国の代表チームと対戦するアジア・太平洋地区選手権に出場。日本はアジアブロックの枠で出場し、そこで1位になればワールドシリーズの出場権を得ていたが、2006年11月14日にサウスウィリアムズポートで開催されたリトルリーグの国際会議で、2007年から日本がワールドシリーズにおいて独立した地域として承認された。これにより、全日本選手権の優勝リーグ(チーム)が日本地区代表として直接リトルリーグ・ワールドシリーズに出場できることになった。 ワールドシリーズ進出1962年に初めてリトルリーグ・ワールドシリーズに出場した。1962年から2006年、日本は極東地区(2001年にアジア地区と改名)として出場していた。2007年より、全日本選手権で優勝すると自動的にワールドシリーズへの出場権を得られるようになった。 2012年までに、日本は1962年から通算23回ワールドシリーズに出場したこととなり、1967年、1968年、1976年、1999年、2001年、2003年、2010年、2012年、2013年、2015年の10回優勝を獲得した。
脚注
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