リサナウトリサナウト(古ノルド語: Risanautr, risa 「巨人の」 + nautr 「贈り物、戦利品」を意味する)[1][2]は、北欧の伝承に登場する武器。以下の3種類の用例がみられる。
『アムロージのサガ』に登場する斧リサナウトという名の斧は、サガの一つ『アムロージのサガ』(Amlóða saga, アムレートに関するサガ、『アンバレス・サガ』Ambáles saga などとも)[3]に登場する。 『アムロージのサガ』の序盤[4]、アムロージ (Amlóði) の父王サルマン (Salman) が治めるキンブリア (Cimbria) の地に、スキティア (Scythia) の王弟ファウスティヌス (Faustinus) が率いる異教徒の大軍が攻め込んできた場面で登場する。戦いの中で、おそらく異教徒たちの味方として、ロソー (Rosó) という名の巨人が重厚な戦斧を携えて登場する。巨人はその斧でサルマン王の勇士ヴィクトル (Victor) に打ちかかり、彼が乗っていた馬を一太刀にする。ヴィクトルは鞍から飛び降りてその一撃を避け、巨人の腕を切り落とすことで斧を奪い、逆にその斧を巨人の頭に深々と打ち込み、巨人を倒す[5]。その直後、ヴィクトルはファウスティヌスの手にかかり戦死するが、その後サルマン王がファウスティヌスと直接対峙した際に、サルマン王が「リサナウト(巨人の贈り物)」という斧を手に獅子奮迅するという描写がある[6]。 『アムロージのサガ』に登場する剣『アムロージのサガ』の終盤[7]にも、リサナウトという同名の剣が登場する。ヘフェストゥス (Hephestus) が帰国する際に、アムロージ王が自身の剣「リサナウト」をヘフェストゥスに渡している[8]。 フロールヴ・ガウトレクスソンの剣古代のサガの一つ『ガウトレクの息子フロールヴのサガ』でも、リサナウトという名前の剣が登場する。 『ガウトレクの息子フロールヴのサガ』の中盤[9]で、巨人の家に忍び込んだフロールヴ王は、巨大な剣を発見する。その後フロールヴは、帰ってきた家主の巨人グリームニル (Grímnir) を殺し、その剣「リサナウト(巨人の贈り物)」を入手した[10][11]。本サガ中ではこの後もリサナウトはたびたび言及される。 脚注
参考文献
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