ラーシュ・ケプレル(Lars Kepler)は、スウェーデンの推理作家。
2009年、『催眠』でデビューしたが、ペンネーム以外のプロフィールの一切が不明で、いわゆる覆面作家であった。その正体としてヘニング・マンケル、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト、カミラ・レックバリなどの名前が挙げられ、2004年に急逝したスティーグ・ラーソンの生存説まで憶測された[1]。
新聞がその正体をスクープしたことにより、同年9月に出版社が、それぞれ単独で作品を持つ純文学作家のアレクサンデル・アンドリル(1967年1月20日 - 、ストックホルム生まれ)とアレクサンドラ・コエーリョ・アンドリル(1966年3月2日 - 、ヘルシンボリ生まれ)夫妻の共有筆名であることを明かした。夫妻は、文学活動の制限にならないように筆名を変えたと語っており、今後もケプレル名義で『催眠』に続くシリーズを執筆する予定であるという[1]。同作は刊行前から10カ国以上に翻訳権が売れ、刊行後は爆発的なヒットとなった[2]。
作品リスト
- ヨーナ・リンナ刑事シリーズ
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邦題
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原題
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刊行年
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刊行年月
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訳者
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出版社
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1
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催眠
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Hypnotisören
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2009年
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2010年7月
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ヘレンハルメ美穂
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早川書房〈ハヤカワ文庫〉
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2
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契約
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Paganinikontraktet
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2010年
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2011年7月
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3
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交霊
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Eldvittnet
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2011年
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2013年12月
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岩澤雅利・羽根由
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4
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砂男
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Sandmannen
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2012年
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2019年12月
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瑞木さやこ・鍋倉僚介
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扶桑社〈扶桑社ミステリー〉
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5
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つけ狙う者
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Stalker
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2014年
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2020年12月
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染田屋茂・下倉亮一
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6
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ウサギ狩り人
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Kaninjägaren
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2016年
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2021年9月
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古賀紅美
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7
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墓から蘇った男
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Lazarus
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2018年
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2022年3月
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品川亮
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1[3]
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Hypnotisören – Black Edition
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2019年
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8
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鏡の男
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Spegelmannen
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2020年
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2023年2月
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品川亮
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扶桑社〈扶桑社ミステリー〉
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9
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蜘蛛の巣の罠
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Spindeln
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2022年
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2024年2月
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品川亮
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扶桑社〈扶桑社ミステリー〉
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脚注
- ^ a b 『ミステリマガジン』(早川書房) 2010年11月号 p.53 「実力は折り紙付きの夫婦合作作家 ラーシュ・ケプレル」
- ^ 『ミステリマガジン』(早川書房) 2010年11月号 p.50 - p.51 「スウェーデン・ミステリの現在」
- ^ シリーズ10周年を記念した第一作の改訂版であり、新たな公式版とされる。
関連項目