ランドラッシュランドラッシュ (Land Rush, Land Run) とは1889年4月22日にアメリカ合衆国政府が入植を解禁したオクラホマに白人が未開の土地を求め殺到した現象を指す。 概要アメリカ合衆国が成立し、同国による白人による北アメリカ大陸入植が本格化すると、先住民であるインディアンたちは白人たちに武力で打倒され、強制的に移住させられた。 アメリカ合衆国政府はインディアンに対して代替地としてオクラホマ(インディアン準州)を提供し、その所有権を永久に保証した。その結果、チェロキー族など各地のインディアンが「涙の踏み分け道」と呼ばれる苛酷な旅程を経てオクラホマへと移住してきた。 1848年のゴールドラッシュ以後、大陸横断鉄道が敷設され、アメリカからフロンティアが消滅すると、白人投資家や鉄道会社などはオクラホマへの入植をアメリカ政府に要望するようになり、様々な請願やロビー行為が行われた。 アメリカ政府はインディアンとの約束を破ることになるため入植を許可しなかった。しかし、1886年のアパッチ族との戦いを最後に、インディアンとの戦いが終息すると、彼らとの約束を無視するかたちで政府がオクラホマ入植を認めることになった。 1889年4月22日の正午を境にオクラホマへの白人の入植が認められた。同年同月日には15ドルの入植手続き料を支払った人々がオクラホマとの境界に集まり、正午を告げる号砲が鳴ると一斉にオクラホマへと乗り込んでいった。彼らは一人当たり160エーカー(65ヘクタール)の土地を手に入れることができた。 このような一斉入植以前にも「スーナー (Sooner)」と呼ばれる抜け駆けが現れ、それを政府当局が取り締まるなど入植には混乱があったものの、1907年までにはオクラホマへの白人移住が完了する。 オクラホマにおけるランドラッシュは5度起こっている。
その後オクラホマに石油が発見されるとオクラホマは準州に、さらに後に47番目の州に昇格する。 21世紀のランドラッシュ2007年-2008年の世界食料価格危機が発端となって、ヨーロッパや中国、韓国、インドなどが国を上げてアフリカや南米、旧ソ連圏の未開発の農地を大掛かりに買収している現象を指す。ランドグラビング(土地収奪)ともいわれ、現地の住民に必要な食料の確保を無視して政府間で強引な買収を行うケースもあり、「新植民地主義」として非難を浴びる事例も少なくない。2009年にはマダガスカルで、国土の耕地可能面積の半分を韓国企業の大宇ロジスティクスに99年間無償貸与するとした大統領がクーデターにより退陣に追い込まれる事態も発生した[1]。 出典
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