ラシード・ドワイヤー
ラシード・ドワイヤー(Rasheed Dwyer、1989年1月29日 ‐ )は、ジャマイカ・セント・メアリー教区出身の陸上競技選手。専門は短距離走。100mで10秒10、200mで19秒80(ジャマイカ歴代4位)の自己ベストを持つ。2015年北京世界選手権男子4×100mリレーの金メダリストである。 200mがメインのスプリンターで、2014年に初の19秒台となる19秒98をマークすると、2015年にはジャマイカ歴代4位の19秒80をマーク。200mでは2017年ロンドン世界選手権で準決勝進出、2014年英連邦競技大会と2015年北中米カリブ選手権で金メダル獲得などの実績を持つ。リレー種目では2015年北京世界選手権の4×100mリレー予選で世界選手権初出場を果たし、ジャマイカの決勝進出に貢献している(予選のみの出場)。 経歴2008年7月の世界ジュニア選手権男子4×100mリレー予選で3走(オシェイン・ベイリー、デクスター・リー、ドワイヤー、ヨハン・ブレーク)を務め、今季ジュニア世界最高記録(当時)の39秒62をマークしての決勝進出に貢献したが、決勝での出番はなかった[2]。決勝でジャマイカは銀メダルを獲得し、予選を走ったドワイヤーもメダルを手にした。 2010年7月の中米カリブ競技大会男子200m決勝で20秒49(0.0)の自己ベスト(当時)をマークし、チュランディ・マルティナ(20秒25)に次いで銀メダルを獲得した[3]。3走を務めた男子4×100mリレーも38秒78をマークしての銀メダル獲得に貢献した[4]。 10月の英連邦競技大会(コモンウェルスゲームズ)に出場すると、男子200mは準決勝で敗退したが、3走を務めた男子4×100mリレーは38秒79をマークしての銀メダル獲得に貢献した[5]。 2011年8月のユニバーシアード男子200m決勝を20秒20(-0.3)の自己ベスト(当時)で制し、この種目ではジャマイカ勢初の金メダリストとなった[注 1][6]。 2013年2連覇がかかった7月のユニバーシアード男子200m決勝で20秒23(+2.4)をマークするも、アナソ・ジョボドワナ(20秒00)に敗れ銀メダルに終わった[7]。 2014年5月の世界リレー男子4×200m予選で1走(ドワイヤー、ジャーメイン・ブラウン、ジェイソン・リバーモア、ウォーレン・ウィア)を務め、1分20秒15の大会記録(当時)をマークしての決勝進出に貢献したが、決勝での出番はなかった[8]。 6月のジャマイカ選手権男子200m決勝で20秒04(+0.5)の自己ベスト(当時)をマーク。ウサイン・ボルトやヨハン・ブレーク、前回大会2位のニッケル・アシュミードなどは不在だったものの、前回大会チャンピオンのウォーレン・ウィア(20秒17)や前回大会3位のジェイソン・リバーモア(20秒25)らを破り初優勝を成し遂げた[9]。 7月の英連邦競技大会男子200m決勝で20秒14(+0.5)をマークし、同じジャマイカのウォーレン・ウィア(20秒26)とジェイソン・リバーモア(20秒32)を破り金メダルを獲得した[10]。 アメリカ大陸代表として出場した9月のコンチネンタルカップ男子200mでは、自身初の19秒台となる19秒98(+0.2)をマーク。アロンソ・エドワードに同タイム着差ありで敗れ2位に終わったが、20秒の壁を突破した9人目のジャマイカ人となった[11]。 2015年5月の世界リレー男子4×200m決勝で2走(ニッケル・アシュミード、ドワイヤー、ジェイソン・リバーモア、ウォーレン・ウィア)を務め、1分20秒97をマークしての金メダル獲得に貢献した[12]。 7月のパンアメリカン競技大会男子200m準決勝でジャマイカ歴代4位の記録となる19秒80(+2.0)をマークし、自己ベストを0秒18も更新するとともに、同じジャマイカ人のドン・クォーリーが1971年大会でマークした19秒86の大会記録も塗り替えた[13]。迎えた決勝では連続での19秒台となる19秒90(+0.3)をマークしたが、アンドレ・ドグラス(19秒88)に敗れ金メダルを逃した(3位のアロンソ・エドワードには同タイム着差ありで競り勝った)[14]。 8月の北中米カリブ選手権男子200m準決勝を20秒17(+0.8)の大会タイ記録(当時)で突破すると、決勝では20秒12(+1.8)の大会記録を樹立して優勝し、2014年英連邦競技大会に続いて主要国際大会(シニア)の個人種目で金メダルを獲得した[15]。 8月の世界選手権男子200mジャマイカ代表に選出[16]。しかし、19秒80という今シーズン世界ランク2位(当時)の記録を持ち、北中米カリブ選手権チャンピオンというワイルドカードも持っていながら、6月のジャマイカ選手権で20秒69(-2.6)の5位に終わっていたため、5番手の選手として出場はかなわなかった。しかし、男子4×100mリレーでは枠(6枠)が空いたためリレーメンバーに選出されると[17]、予選で3走(ネスタ・カーター、アサファ・パウエル、ドワイヤー、ニッケル・アシュミード)を務め、37秒41をマークしての決勝進出に貢献したが、決勝での出番はなかった[18]。決勝でジャマイカは金メダルを獲得し、予選を走ったドワイヤーもメダルを手にした。 2016年7月のジャマイカ選手権男子200m予選で20秒46(+1.0)をマークし、タイムで拾われて決勝に進出したが[19]、決勝には出場していない[20]。 2017年6月のジャマイカ選手権男子200m決勝ではヨハン・ブレーク(19秒97)に次ぐ20秒26(+1.0)で2位に入り、ロンドン世界選手権ジャマイカ代表の座を掴んだ[21]。 世界選手権個人種目初出場となった8月のロンドン世界選手権男子200mは、予選を20秒49(-0.6)で突破したものの準決勝は20秒69(+2.1)とタイムを落とし敗退した[22]。 自己ベスト記録欄の( )内の数字は風速(m/s)で、+は追い風を意味する。
主要大会成績備考欄の記録は当時のもの
ダイヤモンドリーグダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。
脚注注釈出典
外部リンク
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