『ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデン』(英語: Live from Madison Square Garden)は、エリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドが2009年に連名で発表したライブ・アルバム。2008年2月に行われたマディソン・スクエア・ガーデン公演のライブ音源が収録されており、クラプトンの所属レーベルであるリプリーズ・レコードから発売された。
背景
クラプトンとウィンウッドは1969年にブラインド・フェイスを結成したが、同年のうちに解散。しかし、2007年には両名の再共演ライブが度々行われるようになった。5月19日には、バークシャーで開催されたカントリーサイド・ロックスというコンサートでクラプトンがウィンウッドのステージにゲスト参加し、同年7月28日にはシカゴで開催されたクロスロード・ギター・フェスティバルでは、ウィンウッドがクラプトンのステージにゲスト参加した[15]。そして2008年2月25日、26日、28日には、クロスロード・ギター・フェスティバルと同様、クラプトンのバンドにウィンウッドが加わる形でマディソン・スクエア・ガーデン公演が行われた[15]。
収録曲のうち「泣きたい気持」、「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」、「オール・ライト」、「マイ・ウェイ・ホーム」の4曲は、ブラインド・フェイス唯一のアルバム『スーパー・ジャイアンツ』からの曲である。また、両名のソロ・アルバムの曲に加えて、クラプトンが在籍していたデレク・アンド・ザ・ドミノスの曲、ウィンウッドが在籍していたトラフィックの曲、それにカヴァー曲も演奏された。収録曲のうち2曲はジミ・ヘンドリックスのカヴァーで、「リトル・ウィング」はデレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム『いとしのレイラ』(1970年)でもカヴァーされており、「ヴードゥー・チャイル」は、ウィンウッドがオリジナル・ヴァージョンのレコーディングにゲスト参加した。ウィンウッドによれば、この時の共演ライブは3日間だけなので、選曲に関しては敢えてシンプルな曲に焦点を当てたという[16]。
CDは2枚組で発売され、21曲入りとなった。一方、DVDは「ロウ・ダウン」が外されて20曲入りとなり、ボーナス映像を収録したディスク2が追加された。
反響・評価
ドイツのアルバム・チャートでは8位に達し、33週チャート圏内に入るヒットを記録した[1]。一方、クラプトンとウィンウッドの母国イギリスでは、全英アルバムチャートで最高40位に終わり、チャート入りも2週にとどまった[9]。
第52回グラミー賞では、本作が最優秀ロック・アルバム賞にノミネートされ、「マイ・ウェイ・ホーム」が最優秀ロック・ボーカル・パフォーマンス賞(デュオまたはグループ部門)にノミネートされた[17]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「彼らのとても魅力的な演奏には心地好い感触があり、簡素なセッティングによって、彼らのインタープレイにしっかりスポットライトが当てられている」と評している[18]。
ツアー
クラプトンとウィンウッドは、本作リリース後の2009年6月10日よりアメリカの14都市を回るツアーを行っており[19]、このツアーではイアン・トーマスに代わってエイブラハム・ラボリエル・ジュニアがドラムスを担当した[20]。また、2011年には11月から12月にかけてジャパン・ツアーを行い、この時にはスティーヴ・ガッドがドラムスを担当した[21]。
収録曲
CD
ディスク1
- 泣きたい気持 - "Had to Cry Today" (Steve Winwood) – 7:47
- ロウ・ダウン - "Low Down" (J.J. Cale) – 4:10
- ゼム・チェンジズ - "Them Changes" (Buddy Miles) – 5:10
- フォーエヴァー・マン - "Forever Man" (Jerry Lynn Williams) – 3:33
- スリーピング・イン・ザ・グラウンド - "Sleeping in the Ground" (Sam Myers) – 4:50
- プレゼンス・オブ・ザ・ロード - "Presence of the Lord" (Eric Clapton) – 5:23
- グラッド - "Glad" (S. Winwood) – 4:13
- オール・ライト - "Well All Right" (Jerry Allison, Buddy Holly, Joe B. Mauldin, Norman Petty) – 5:35
- ダブル・トラブル - "Double Trouble" (Otis Rush) – 8:06
- パーリー・クイーン - "Pearly Queen" (Jim Capaldi, S.Winwood) – 6:10
- テル・ザ・トゥルース - "Tell the Truth" (E. Clapton, Bobby Whitlock) – 6:42
- ノー・フェイス、ノー・ネイム、ノー・ナンバー - "No Face, No Name, No Number" (J. Capaldi, S.Winwood) – 4:09
ディスク2
- アフター・ミッドナイト - "After Midnight" (J.J. Cale) – 4:45
- スプリット・ディシジョン - "Split Decision" (Joe Walsh, S. Winwood) – 6:25
- ランブリング・オン・マイ・マインド - "Rambling on My Mind" (Robert Johnson) – 4:01
- 我が心のジョージア - "Georgia on My Mind" (Hoagy Carmichael, Stuart Gorrell) – 5:05
- リトル・ウィング - "Little Wing" (Jimi Hendrix) – 6:42
- ヴードゥー・チャイル - "Voodoo Chile" (J. Hendrix) – 16:23
- マイ・ウェイ・ホーム - "Can't Find My Way Home" (S. Winwood) – 5:33
- ディア・ミスター・ファンタジー - "Dear Mr. Fantasy" (J. Capaldi, S.Winwood, Chris Wood) – 7:41
- コカイン - "Cocaine" (J.J. Cale) – 6:41
DVD
- "Had to Cry Today"
- "Them Changes"
- "Forever Man"
- "Sleeping in the Ground"
- "Presence of the Lord"
- "Glad"
- "Well All Right"
- "Double Trouble"
- "Pearly Queen"
- "Tell the Truth"
- "No Face, No Name, No Number"
- "After Midnight"
- "Split Decision"
- "Rambling on My Mind"
- "Georgia on My Mind"
- "Little Wing"
- "Voodoo Chile"
- "Can't Find My Way Home"
- "Dear Mr. Fantasy"
- "Cocaine"
レコーディング・メンバー
脚注
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