ユリア(Julia)は、古代ローマのユリウス氏族の女性形。
概要
ローマ女性は、基本的には氏族名の女性形を名前としたため、ユリウス氏族に属する女性の名でもあった。
ユリウス氏族からはユリウス・カエサルおよびアウグストゥスが出て、帝政以降は皇帝の一族がユリウスを名乗ったため、皇族の女性の名前ともなった。
現代ではドイツ人やロシア、ウクライナ系の女性に多く見られる。英語ではジュリアとなる。
ユリウス氏族のことをgens Juliaと表記するが、日本語でこれをユリア氏族と読むことは少ない。
歴史上の人物
歴史上では以下の女性がいる。
- ユリア (ガイウス・マリウスの妻)(英語版)
- ガイウス・マリウスの妻で独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルの叔母。父は孫と同名のガイウス・ユリウス・カエサルで兄は独裁官カエサルの父ガイウス・ユリウス・カエサル。
- ユリア (ガイウス・ユリウス・カエサルの姉妹)(英語版)
- 独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルには2人の姉妹がおり、区別のために姉を大ユリア、妹を小ユリアとも呼ぶ。このうち妹の小ユリアはマルクス・アティウス・バルブスと結婚し娘アティアをもうけた。この娘アティアはガイウス・オクタウィウスと結婚し、のちに初代ローマ皇帝アウグストゥスとして知られる息子ガイウス・オクタウィウス・トゥリヌス(のち独裁官カエサルの養子となりガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス)の母となった。それゆえ小ユリアはアウグストゥスの祖母にあたる。
- ユリア (ガイウス・ユリウス・カエサルの娘)
- 独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルと最初の妻、ルキウス・コルネリウス・キンナの娘コルネリアとの娘でポンペイウスの妻。
- ユリア (アウグストゥスの娘)
- 初代ローマ皇帝アウグストゥスと2番目の妻スクリボニア(英語版)の娘。娘のユリアと区別するための大ユリアとも。
- ユリア (アグリッパの娘)
- マルクス・ウィプサニウス・アグリッパとアウグストゥスの娘ユリアとの娘。母のユリアと区別するために小ユリアとも。
- ユリア・アイオータパ (アンティオコス3世の娘)
- アンティオコス4世の姉妹及び妻。
- リウィア・ドルシッラ
- アウグストゥスの妻リウィア・ドルシラがアウグストゥスの死後贈られた名前。
- リウィア・ユリア
- 大ドルススと小アントニアの娘でゲルマニクス、クラウディウスの姉妹。
- ユリア・ドルシッラ
- カリグラの妹。
- ユリア・ドムナ
- セウェルス朝の人物。
- ユリア・フラウィア
- フラウィウス朝の人物。