ヤード・ポンド法という名前に使われている通り、ヤードはこの単位系における長さの基本単位であり、その他の単位はヤードの分量・倍量単位となっている。しかし、実際にはフィートを元にして組み立てられた単位が多い。ヤード・ポンド法に時間の単位秒を加えた単位系は、foot, pound, second の頭文字をとってFPS単位系と呼ばれている。
初期のヤードの分量単位はヤードを 2,4,8,16 等分したもので、 half-yard, span, finger, nail と呼ばれた。
イギリスおよび英連邦では、1855年に青銅製の「帝国標準ヤード原器」を作成し、その長さを帝国標準ヤードと定めた。アメリカでは、1893年にメートルを法律上の正規の長さの単位と定め、ヤードはメートルを基準として (3600/3937) m (約 0.914 401 8288 m) と定めた。こうして、イギリスとアメリカで異なるヤードが用いられることとなった。
国際ヤード
1958年7月に科学・工業の分野で用いる単位については 1 ヤードを正確に 0.9144 m とするという国際協定がカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、イギリス、アメリカの6か国によって結ばれた。これが国際ヤードである[2]。これによって1フィート(国際フィート)は、正確に0.3048m に、1インチは、正確に0.0254m = 25.4mmとなった。ただし、イギリスでは法律上はヤード原器の長さをヤードとし続けていたが、1963年に度量衡法を改正して(Weights and Measures Act 1963) 1 ヤードを正確に0.9144 m と定めた[3]。
^[3] NIST Handbook 44 - 2013 Edition, Specifications, Tolerances, and Other Technical Requirements for Weighing and Measuring Devices,
Appendix B. Units and Systems of Measurement Their Origin, Development, and Present Status, 2.2.5. Status of the Metric System in the United States., Measurements expressed in U.S. statute miles, survey feet, rods, chains, links, or the squares thereof, and acres should be converted to the corresponding metric values by using pre-1959 conversion factors if more than five significant figure accuracy is required. ページB-7