モンシロチョウ属 (モンシロチョウぞく、Pieris )は、シロチョウ族 を分類する属 の1つである。
世界中で広く見られ、種の多様性が最も高いのは旧北区 (東アジア、北アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパ、ユーラシア大陸、北アフリカ)地域で、ヨーロッパや北アメリカ東部では、類似したチョウセンシロチョウ属 (Pontia )よりも多様性が高くなっている。
生態
この属の多くの種は、幼虫時にキャベツ とアブラナ科 の植物を食べる。
これらの植物にはグルコシノレート と呼ばれる化学物質が含有されており、この物質との生化学的適応が研究されている。
他のほとんどの昆虫とは対照的に、モンシロチョウ属の幼虫はこれらの化学物質を解毒することができ、グルコシノレートなしでは植物を食べないほど特殊化している。
モンシロチョウ属の雌は、植物に卵を産む前に、グルコシノレートの存在を確認する。
作物に害を与える種は、ユーラシアから世界のほとんどの地域(最近では南アメリカとアフリカに広がっている)に広がり、ほとんどどこでも害虫と見なされている。
北アメリカに生息する種Pieris oleracea (マスタードホワイト)やバージニアシロチョウ(バージニアホワイト)など、害虫ではないモンシロチョウ属の種がある。
これらの種は、特定の在来の植物のみを食べる。[ 1]
北アメリカでニンニクガラシ(Alliaria petiolata )がPieris oleracea とバージニアシロチョウの幼虫を殺す方法として、アブラナ科の一部の植物が急速に広がることで、モンシロチョウ属の一部の種は脅かされている。
一方で、それはPieris napi に適した食用植物とされている。
モンシロチョウ属であるからといって、それらがすべてモンシロチョウ属の他の種が摂食できる同じアブラナ科の植物を摂食できることを意味するわけではない。
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種と主な亜種
アルファベット順に配置:[ 3] [ 4]
和名はShiraiwa 1996-2021 及び 日本産蝶類和名学名便覧 2010-2013 による。
Pieris ajaka Moore, 1865 (カシミール )
Pieris angelika Eitschberger, 1983 – Arctic white
Pieris balcana Lorkovic, 1970 – Balkan green-veined white (ヨーロッパ南東)
Pieris bowdeni Eitschberger, 1984 (イラン, トルコ, 南コーカサス , コペトダグ山脈 (トルクメニスタン ・イラン))
Pieris brassicae (Linnaeus, 1758) オオモンシロチョウ – large white, large cabbage white
Pieris brassicoides Guérin-Méneville, 1849
Pieris bryoniae (Hübner, [1790-1793]) – dark-veined white, mountain green-veined white
Pieris canidia (Sparrman , 1768) タイワンモンシロチョウ – Indian cabbage white
Pieris cheiranthi (Hübner, 1808) カナリアシロチョウ – Canary Islands' large white
Pieris chumbiensis (de Nicéville, 1884) – Chumbi white
Pieris deota (de Nicéville, 1884) – Kashmir white
Pieris dubernardi Oberthür, 1884 (中国西部)
Pieris dulcinea (Butler, 1882) エゾスジグロシロチョウ (エゾスジグロチョウ)(韓国北東)
Pieris eitschbergeri Lukhtanov, 1996 (Kirgisien, 天山山脈 ) – おそらくPieris deota のシノニム
Pieris ergane (Geyer, [1828]) – mountain small white
Pieris erutae Poujade, 1888 (チベット東部, 中国雲南省)
Pieris euorientis (Verity, 1908) (アルタイ地方 山岳部からサハ共和国 中部)
Pieris extensa Poujade, 1888 (中国西部, 福建省, インド) – 時々Pontia 属(チョウセンシロチョウ属 )に含む
Pieris krueperi Staudinger, 1860 – Krueper's small white
Pieris lama Sugiyama, 1996 (中国西部)
Pieris mahometana (Grum-Grshimailo, 1888) (アフガニスタン北東、パミール高原 )
Pieris mannii (Mayer, 1851) – southern small white
Pieris marginalis Scudder, 1861 ヒメスジグロシロチョウ – margined white
Pieris meckyae Eitschberger, 1983 – Mecky's white (アラスカ) おそらくヒメスジグロシロチョウ(Pieris marginalis )の亜種
Pieris melete Ménétriés, 1857 スジグロシロチョウ – grey-veined white (インド北部, 中国, 韓国, 日本)
Pieris naganum Moore, 1884 – Naga white
Pieris napi (Linnaeus, 1758) – green-veined white, veined white
Pieris narina (Verity, 1908) (天山山脈)
Pieris nesis Fruhstorfer, 1909 ヤマトスジグロシロチョウ (日本)
Pieris ochsenheimeri (Staudinger, 1886) (中央アジアの山岳部)
Pieris oleracea Harris, 1829 – mustard white
Pieris persis (Verity, 1922) (イラン)
Pieris pseudorapae (Verity, 1908) (ヨーロッパ北部, トルコ, イラン)
Pieris rapae (Linnaeus, 1758) モンシロチョウ – small white, (small) cabbage white
Pieris shangrilla Tadokoro, Shinkawa & Wang, 2013 シャングリラシロチョウ [ 5]
Pieris steinigeri Eitschberger, 1984 (Weihsi (中国))
Pieris tadjika Grum-Grshimailo, 1888 (イラク)
Pieris virginiensis (W.H. Edwards, 1870) バージニアシロチョウ – West Virginia white
ギャラリー
脚注
^ Davis, S., 2015. Evaluating threats to the rare butterfly, Pieris virginiensis. Wright State University.
^ Driesche, F.V.; Blossey, B.; Hoodle, M.; Lyon, S.; Reardon, R., 2010. Biological Control of Invasive Plants in the Eastern United States. USDA Forest Service. Forest Health Technology Enterprise Team. http://wiki.bugwood.org/Archive:BCIPEUS
^ Pieris , funet.fi
^ Pieris , BioLib.cz
^ 田所 輝夫, 新川 勉, 王 敏「中国雲南省北部に生息するPieris属の1新種の記載(鱗翅目,シロチョウ科) 」(PDF)『蝶と蛾』第64巻第1号、日本鱗翅学会、2013年4月、1-9頁、doi :10.18984/lepid.64.1_1 。
参考文献
Shiraiwa, Kojiro (1996-2021). “シロチョウ族のページ2 ”. ぷてろんワールド . 2021年10月26日 閲覧。
猪又, 敏男; 植村, 好延; 矢後, 勝也; 上田, 恭一郎; 神保, 宇嗣 (2010-2013). “Pieris モンシロチョウ属: 種一覧 ”. 日本産蝶類和名学名便覧 . 2021年5月5日時点のオリジナル よりアーカイブ。2021年10月26日 閲覧。
外部リンク