メデランメデラン(露: Меделян, Меделянская собака, Меделянка, 英: Medelan[1])は、絶滅した犬種の一つ。ロシア原産でクマ狩りに使用された。 歴史モロサス犬の系統に属する。この犬種の存在した証拠は15世紀・ヴァシーリー2世の治世にすでにある[2]。歴代のロシア皇帝により、主にクマ狩り用の猟犬として飼育されていた。夏は藪の中のクマを追い、冬は冬眠中のクマを巣から追い出した[3]。 1860年代にクマ狩りが禁止されると、メデランは衰退していく[4]。19世紀の後半になると個体数は急速に減少し始め、20世紀の初めまでには皇帝の狩猟の場所であるガッチナで[4]数頭が飼育されるのみとなった。歴代皇帝の中でも最後の皇帝、ニコライ2世に気に入られていて、ガッチナ宮殿で飼育されていた[3]。 歴代の皇帝によって大切に保護されていた[5]メデランではあったが、ロシア革命によって皇帝が失脚・処刑されると全てのメデランが主人と運命を共にし、絶滅した[3]。 特徴メデランの姿を映した写真はとても数が少ない。残された資料と写真をもとにその姿を描写すると、モロサスタイプ(マスティフタイプ)の犬種で体高がとても高い。筋骨隆々の骨太でがっしりした体つきで、非常に力が強い。頭部は大きく、目は小さく眼光が鋭い。マズルは太く短く、上唇はグレート・デーンのように少し長く垂れている。耳は本来三角形の大きい垂れ耳だが、皇帝の飼い犬である威厳と畏怖の念を強調するため、断耳して立たせる事もあった。頸部や脚、指は太く、脚は長めである。皮膚は引っ張るとよく伸びるが、これはクマや犬などと戦うとき、噛まれたり引っかかれたりしても怪我を深く負わないようにし、食いつかれても身をよじって攻撃から抜け出す事が出来、大切な役割を果たす。コートはスムースコートで、毛色はブラック、ブリンドル、フォーン、グレーなどの単色とそれの胸にホワイトのパッチが入ったものなど。体高については「仔犬の頃にほぼグレート・デーンと同じくらいのサイズに達し、成犬になると仔牛ほどの大きさにもなる[1]」ともいわれている。推定体高は80~90cm、推定体重は65~85kg。 実際に戦場で使われた犬の最後の子孫とも言われる。武器なしに人を殺すことができ、9歳の子供が1分もかからずに八つ裂きにされたという記録が残っている[1]。 出典
参考文献
関連項目外部リンク |