メタノール毒性
メタノール中毒はメタノールによる中毒である[1]。症状は意識レベルの低下、身体能力の貧弱化、嘔吐、腹痛、呼吸による特定の口臭[1][2]。早い場合は曝露から12時間後に視覚障害が起こりえる[2]。長期的な症状には失明や腎不全があげられる[1]。少量の誤飲であっても毒性があり死亡する場合もある[1]。 メタノール中毒の多くはウインドウウォッシャー液の誤飲後に発生している[2]。これは偶発的なこともあれば、自殺を試みる為のための場合もある[1]。肌からの浸透や気体を吸収して中毒を引き起こすことは稀である[1]。メタノールが体内に取り込まれるとホルムアルデヒドとギ酸に分解され、その結果、多くの健康障害を引き起こす原因となる[2]。診断はアシドーシスまたは浸透圧ギャップが強い場合はメタノール中毒が疑われ、血液中のメタノール濃度測定により確認される[1][2]。似たような症状が起こる他の原因には感染症、その他の有毒アルコール類の嚥下、セロトニン症候群、糖尿病性ケトアシドーシスがあげられる[2]。 早期治療による回復の確率は高い[2]。治療は患者を安定した状態にし、その後に解毒剤を使用する[2]。優先される解毒剤はホメピゾールであるが、ない場合はメタノールより体内に取り込まれやすいエタノールを解毒拮抗剤として使用する[4][2]。臓器障害やアシドーシスが強い場合は血液透析が用いられる場合もある[2]。その他の治療法には炭酸水素ナトリウム、葉酸、チアミンの使用があげられる[2]。 酒、つまりエタノールを含む飲料への混入により、アウトブレイクが起こることがある[2]。過去には終戦直後の日本でも多発した。開発途上国では今なおよくあることである[2]。アメリカでは2013年に1700件以上のメタノール中毒が発生した[3]。概ね、成人男性に多い[3]。早期治療による効果はよい[1]。1856年には既にメタノール毒性について記されていた[5]。 出典
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