メイスルズ兄弟(Albert and David Maysles)は、ドキュメンタリー映画の兄弟作家チームで、『セールスマン Salesman』、『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター Gimme Shelter』、『グレイ・ガーデンズ Grey Gardens』で知られる。1964年のザ・ビートルズについての映画はDVD『The Beatles: The First U.S. Visit』のバックボーンとなっている。
来歴・人物
1960年、ダイレクト・シネマ(英語版)の最初の映画とされるロバート・デュー監督の『プライマリー』に、アルバートが撮影監督として参加した。また『モンタレー・ポップ フェスティバル'67』(監督D・A・ペネベイカー、1967年)、『モハメド・アリ かけがえのない日々』(監督レオン・ギャスト、主演モハメド・アリ、1996年)にも撮影技師のひとりとして参加している。1987年に弟・デイヴィッドが先立って死去。
ジャン=リュック・ゴダールがかつて、アルバートのことを「アメリカで最高のカメラマン」と呼んだ[1]。2005年、チェコのオロモウツでの映画祭で生涯功労賞を受賞した。現在、自伝的ドキュメンタリーを製作中である。同年、メイスルズ学院を設立、恵まれない個人作家にトレーニングと現場での見習いの機会を供給する非営利団体である。
アルバートは35年間、ダコタ・ハウスに住んでいたが2005年に売却し、ハーレムにいくつか家を買い、そのひとつに妻と暮らしていた[2]。
2015年3月5日、アルバートは癌のため死去した[3]。
二人の監督作品「グレイ・ガーデンズ」をもとに、2009年、テレビドラマグレイ・ガーデンズ 追憶の館が放送された。
フィルモグラフィ
アルバートのみ
- Psychiatry in Russia 1955年
- Horowitz Plays Mozart 1987年 共同監督スーザン・フロムケ、シャーロット・ツワーリン、主演ウラジミール・ホロヴィッツ
- Jessye Norman Sings Carmen 1989年 共同監督スーザン・フロムケ、主演ジェシー・ノーマン
- They Met in Japan 1989年 共同監督スーザン・フロムケ
- Soldiers of Music: Rostropovich Returns to Russia 1991年 共同監督スーザン・フロムケ、ピーター・ゲルブ、ロバート・アイゼンハート、主演ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
- Abortion: Desperate Choices 1992年 共同監督スーザン・フロムケ、デボラ・ディクソン
- Baroque Duet 1992年 共同監督スーザン・フロムケ、ピーター・ゲルブ、パット・ジャフィ
- Accent on the Offbeat 1994年 共同監督スーザン・フロムケ、デボラ・ディクソン
- Letting Go: A Hospice Journey 1996年 共同監督スーザン・フロムケ、デボラ・ディクソン
- Concert of Wills: Making the Getty Center 1997年 共同監督スーザン・フロムケ、ロバート・アイゼンハート
- Lalee's Kin: The Legacy of Cotton 2000年 共同監督スーザン・フロムケ、デボラ・ディクソン
- The Gates 2007年 共同監督アントニオ・フェレーラ
関連事項
参考書籍
- Dave Saunders著、Direct Cinema: Observational Documentary and the Politics of the Sixties、London、Wallflower Press刊 2007年 ISBN 1905674155
註
- ^ [1]
- ^ “A Life in Pictures: Albert Maysles” (英語). New York Times. (2009年7月30日). http://www.nytimes.com/2009/08/02/realestate/02habi.html
- ^ “A・メイスルズ監督が死去、米ドキュメンタリー映画の巨匠”. ロイター. (2015年3月9日). https://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPKBN0M506D20150309/
外部リンク