ミシュナー、その下のゲマーラー (本論)、左右のラシ の注解書とトーサーフォート 達の注解書、最下部のハナンエル の注解書
ミシュナー (ヘブライ語 : מִשְׁנָה, 、「反復」の意)とは、ソフリーム (紀元前6世紀 - 後1世紀 )、タナイーム (1世紀 - 3世紀 )の時代にユダヤ教 の指導者・ラビ によって行われたトーラー に関する註解や議論(口伝律法 )を集成した文書。ユダヤ教ではモーセ五書 に次いで重要とされる[ 1] 。タルムード の本文に位置づけられる。
1世紀末から2世紀ごろにアキバ・ベン・ヨセフ が集成し、そののち3世紀頃にユダ・ハナシー によって引き継がれ集大成された[ 1] 。
また、アッガーダー とは「語り」という意味の概念用語で、ミクラー への解説や格言を通して教訓的なものを引き出したり、聖書に書かれていない物語、様々な逸話などの類をいう。タルムードの3割はアッガーダーとなっている。
構成
זרעים (ゼライーム Zeraim) - 11編構成。祈りと祝福・什一税 ・農業に関する法を扱う。
ベラホット Berakhot 祈りの言葉の規則について。9章。
ペアー Pe'ah 貧しき者に土地の一角を与える(レビ記 19:9-10及び23:22、申命記 24:19-22)ためのミツワー に関連した戒律と、貧しき者の権利一般について。8章。
デマイ Demai 生産から供せられる聖職者への寄付が定かでない様々な場合について。7章。
キルアイム Kilayim 農業、衣類、飼育において禁じられている混ぜ物(レビ記 19:19、申命記 22:9-11)の規則について。9章。
シェビイート Shevi'it 安息年 (出エジプト記 23:11、レビ記 25:1–8、申命記 15:1–11)に関する農業と会計の規則について。10章。
テルモット Terumot 僧侶に与えられる寄付(terumah)の規則(民数記 18:8-20、申命記 18:4)について。11章。
マアセロット Ma'aserot レビ族 に与えられる十分の一税 に関する規則 (民数記 18:21–24)について。5章。
マアセル・シェニー Ma'aser Sheni エルサレム で食べられるための十分の一税に関する規則 (申命記 14:22-26)について。5章。
ハッラー Hallah パン生地を僧侶に与えること(ハッラー )に関する法(民数記 15:18–21)について 。4章。
オルラー Orlah 植えた植物をすぐに使うことの禁止(レビ記 19:23–25)について。3章。
ビクリーム Bikkurim 僧侶とエルサレム神殿 に贈る初物 (出エジプト記 23:19、申命記 26:1)について。
מועד (モエード Moed) - 12編構成。安息日 と祭りに関係する。
シャバット Shabbat 安息日 に禁じられている39の労働について。24章。
エルビン Eruvin 運搬と旅のために安息日の領域を変える解釈/概要説明、Eruvもしくは安息日に行動できる範囲について。10章。
ペサヒーム Pesahim ペサハ とその生贄に関する規定について。10章。
シェカリーム Shekalim 2分の1シェケル の寄進とエルサレム神殿の費用と出費について。8章。
ヨマー Yoma ヨム・キプル の規定、特に大祭司 による式典について。8章。
スカー Sukkah スコット と祭りの際に用いられる仮設の家(仮庵)について。また、スコットで使われる4つの植物(ナツメヤシ の枝、シトロン 、ギンバイカ 、ヤナギ )について。5章。
ベイツァー Beitza Yom Tov (祝祭)において順守すべき規則について。5章。
ロシュ・ハシャナー Rosh Hashanah ユダヤ暦 について、ローシュ・ハッシャーナー の祭礼について。4章。
タアニート Ta'anit 干ばつ、その他予期せぬ良くない出来事が起きた時の、特別な断食について。4章。
メギラー Megillah プーリーム においてエステル記 を読むこと、またシナゴーグ においてモーセ五書 と預言書(ネビイーム)を読むことに関する規律と規定について。4章。
モエード・カタン Mo'ed Katan ペサハ とスコット の中間日ホル・ハ・モエド について。3章。
ハギガー Hagigah 三巡礼祭(ペサハ 、スコット 、シャブオット )とエルサレム への巡礼に持って行くべき奉納の品について。3章。
נשים (ナシーム Nashim) - 7編構成。結婚と離婚、誓約に対する作法とナジル人 の法に関係する。
イェバモット Yevamot 未亡人 に義務付けられた義理の兄弟との婚姻に関連したユダヤの法レビラト婚 (申命記 25:5-10)とその他未成年のなどについて。16章。
ケトゥボット Ketubot ケトゥバー(ユダヤ教の婚前契約書 )と処女 、初夜権 、夫婦間の義務について。13章。
ネダリーム Nedarim 様々な種類の誓約(ネダリーム)と法的責任について。11章。
ナジールNazir ナジル人の誓約 とナジル人であること(民数記 6)について。9章。
ソター Sotah 姦通罪 が疑われた女性(民数記 5)に対するソター の儀式、口語の定型句(雌牛の首を折る時、王の年7回行われる国民へのトーラー 朗読、ゲリジム山 、エバル山 などの祝福と呪い)に関する儀式について。9章。
ギッティン Gittin 離婚 とその他の文書の概念について。9章。
キダシン Kiddushin 結婚の最初の段階(正式な婚約)とユダヤの家系 の法について。4章。
נזיקין (ネズィキーン Nezikin) - 10編構成。市民の商売と刑罰、法廷の機能と誓約について。
ババ・カマ Bava Kamma 主に損害と補償に関する民事問題について。10章。
ババ・メツィア Bava Metzia 主に不法行為と財産法に関する民事問題について。10章。
ババ・バトラ Bava Batra 主に土地所有権に関する民事問題について。10章。
サンヘドリン Sanhedrin サンヘドリン での裁判の規則、死刑、その他の刑事問題について。11章。
マコット Makkot Edim Zomemim (証人)、逃れの町 、鞭打ち刑について。3章。
シェブオット Shevu'ot 様々な種類の宣誓とその法的責任について。8章。
エドゥヨット Eduyot ミシュナーの時代の法的な争いの事例と、その他の色々な賢者とハラーハー の原理を説明する証言の紹介。8章。
アヴォダー・ザラー Avodah Zarah ユダヤ教徒と、(ユダヤ教徒から見て)異教徒もしくは偶像崇拝者との交流の法について。5章。
アボット Avot 賢者の道徳的格言集。6章。
ホラヨット Horayot サンヘドリン による大きな過ちのために捧げられる、地域社会の意図的でない罪の贖いのための生贄について。3章。
קודשים (コダシーム Kodshim) - 11編構成。生贄の儀式に関する、神殿 と食事の法。
ゼバヒーム Zevahim 動物と鳥を生贄にする手順について。14章。
メナホット Menahot エルサレム神殿 への様々な穀物を元にした供物について。13章。
フッリーン Hullin 屠殺と肉の消費(神聖な理由ではなく日常使われる動物)の法について。12章。
ベホロット Bekhorot 動物と人間の長子の神聖化と贖罪について。9章。
アラヒン Arakhin 主に財産をエルサレム神殿 に奉納した人と農地を奉納することについて。9章。
テムラー Temurah ある動物が生贄として捧げられた動物の代わりになった場合についての法の概要。7章。
ケリトット Keritot 破門(karet)が懲罰となる戒律と、(多くの場合意図的でない)破戒に関連する生贄について。6章。
メイラー Me'ilah エルサレム神殿 の所有物を不正使用した場合の補償について。6章。
タミード Tamid 日々の生贄(Tamid)の手順の概要。6章。
ミドット Middot 第二神殿 の採寸について。4章。
キニーム Kinnim 鳥の生贄が混ざった場合に対する複雑な法について。3章。
טהרות (トホロート Tohorot) - 12編構成。祭儀的な潔・不潔等の法に関係する。
ケイリーム Keilim 様々な器の宗教的な意味での純潔さと不潔さについて。30章(ミシュナー の中で最長)。
オホロット Oholot 死体の穢れと、同じテント型構造の中の物にその不潔さの影を落とす独特の性質について。18章。
ネガイーム Nega'im ハンセン病 に関する法について。14章。
パーラー Parah 生贄に用いる赤毛の雌牛に関する法について。12章。
トホロット Tohorot 様々な純潔さに関する法、特に不潔さがうつる実際の仕組みと、食べ物の不潔さに関する法について。10章。
ミクヴァオート Mikva'ot ミクワー に関する法について。10章。
ニッダー Niddah Niddah(月経周期にあるか産後間もない女性)について。10章。
マフシリン Makhshirin 食べ物が濡れた後に、何か不浄なものに接触して穢れたことを宣言するためのルールについて。6章。
ザービーム Zavim 射精 と淋病 について。5章。
テブール・ヨーム Yom ミクワー に入ったにもかかわらずその日の残りは清浄でない、特別な種類の穢れについて。4章。
ヤダイム Yadayim 手の汚れと清め方について。4章。
ウクツィーン Uktzim 果実と茎の関係。両者が互いに対して穢れをもたらすことについて。3章。
ミシュナーの哲人の時代
第1世代: Rabban Yohanan ben Zakkai 's generation (circa 40 -80 CE).
第2世代: Rabban Gamliel of Yavneh, Rabbi Eliezer and en:Rabbi Yehoshua 's generation, the teachers of Rabbi アキバ・ベン・ヨセフ .
第3世代: The generation of Rabbi アキバ・ベン・ヨセフ and his colleagues.
第4世代: The generation of Rabbi メイル , Rabbi en:Yehuda and their colleagues.
第5世代: Rabbi イェフーダー・ハン=ナーシー 's generation.
第6世代: The interim generation between the Mishnah and the Talmud : Rabbis Shimon ben Judah HaNasi and Yehoshua ben Levi , etc.
口伝の伝統と発音
脚注
関連項目
参考資料・文献案内
翻訳
歴史的研究
Shalom Carmy (Ed.) Modern Scholarship in the Study of Torah: Contributions and Limitations Jason Aronson, Inc.
Shaye J.D. Cohen, Patriarchs and Scholarchs, Proceedings of the American Academy for Jewish Research 48 (1981), pp. 57-87
Steven D. Fraade, "The Early Rabbinic Sage," in The Sage in Israel and the Ancient Near East, ed. John G. Gammie and Leo G. Perdue (Winona Lake, Indiana: Eisenbrauns, 1990), pp. 417-23
Robert Goldenberg The Sabbath-Law of Rabbi Meir (Missoula, Montana: Scholars Press, 1978)
Jacob Neusner Making the Classics in Judaism (Atlanta: Scholars Press, 1989), pp. 1-13 and 19-44
Jacob Neusner Judaism: The Evidence of the Mishna (Chicago: University of Chicago Press, 1981), pp. 14-22.
Gary Porton, The Traditions of Rabbi Ishmael (Leiden: E.J. Brill, 1982), vol. 4, pp. 212-25
Dov Zlotnick, The Iron Pillar: Mishnah (Jerusalem: Bialik Institute, 1988), pp. 8-9
外部リンク
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ウィキメディア・プロジェクト
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他の電子テキスト
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The Daily Mishnah - uses the Kehati commentary (in English translation).
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Mishnah Yomit - One mishnah per day. (Note: this study-cycle follows a different schedule than the regular one; contains extensive archives in English).
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Oral Traditions (chanting and pronunciation of the Mishnah):
6種類の
ミシュナー (
שִׁשָּׁה סִדְרֵי מִשְׁנָה )
ズライーム (種) (זְרָעִים ) モエード (祭礼) (מוֹעֵד ) ナシーム (女性) (נָשִׁים ) ネズィキーン (損害) (נְזִיקִין ) コダシーム (聖) (קָדָשִׁים ) トホロート (清) (טָהֳרוֹת )
ベラホート
ペアー
デマイ
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ホラヨート
ゼヴァヒーム
メナホート
フッリーン
ベホロート
アラヒーン
テムラー
ケリトート
メイラー
タミード
ミッドート
キンニーム
ケリーム
オホロート
ネガイーム
パラー
トホロート
ミクヴァオート
ニッダー
マフシリーン
ザヴィーム
テヴール・ヨーム
ヤダイム
ウクツィーン