マーロール

セーデル・シェル・ペサハの皿(カアーラー・シェル・ペサハ)。右下のホースラディッシュと左下のパセリがマーロールに該当する
伝統的なセーデル・シェル・ペサハの皿。上から時計回りにハゼレト(コスチシャ)、ゼローア(焼いた脛骨)、ハローセト、マーロール(フライン)、カルパスセロリ)、ベーツァーゆで卵
3種のマーロール。左からフライン、エンダイブ、ホースラディッシュ
カジュアルなセーデル・シェル・ペサハの食卓。コスチシャとパセリがマーロールに該当する

マーロールヘブライ語מָרוֹר mārôr, marror, maror)は、過越(ペサハ)のセーデルの食べ物の一つで、苦みのある香味野菜のこと。「苦ヨモギ」とも訳される。ハゼレト(חזרת、chăzereth)が用いられることもある。 マーロールはヘブライ語で「苦い」を意味するマール(מר)に由来し、エジプトの地における強制労働の苦しみを象徴する[1]。セーデル・シェル・ペサハでマーロールを食べることがミツワーを成すとされる。

多くの家庭では、根ごとすりおろしたホースラディッシュ砂糖と加熱したテーブルビートを加えたフライン(chrein)をマーロールとして供する。

ハゼレトには、典型的には苦味のあるレタスの一種コスチシャが用いられる。エンダイブタンポポの葉であることもあり、セファルディムの家庭ではパセリや青ネギも用いられる。同じく強制労働の苦しみを象徴するハローセトをハゼレトにつけてから、余分なハローセトをふるい落として食べる。

マーロールは、現代ヘブライ語の口語ではホースラディッシュのことになっている。ハゼレトも口語ではホースラディッシュのことである。

脚注

  1. ^ そしてユダヤ教の役割の一つは、悪と戦い、この世の苦しみを少なくすることである