マチュアマチュア プロフィール
マチュア (Mature) は、SNKの対戦型格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズに登場する架空の人物。 キャラクター設定格闘大会『キング・オブ・ファイターズ』(以下『KOF』と表記)を開催したルガール・バーンシュタインの秘書として登場したのが最初である。CPU戦を勝ち抜いたプレイヤーを、ルガールが待ち受けるブラックノアへと導く際に姿を現し、そのときの姿は『KOF'94』(以下『'94』と表記)でのルガール出現デモで確認できる。『'94』での彼女の登場グラフィックは1つだけだが、立ち姿や顔の表情等で他にも設定原画が存在する[1][2]。 なお、秘書としてのスキルは高くバイスとともに秘書検定一級の資格を所持しているとされる[3]。 マチュアは『KOF'95』(以下『'95』と表記)の主人公チームの公式ストーリーで、修行を終えて日本へ戻ってくる草薙京を港で出迎えるためにやってきた二階堂紅丸と大門五郎の2人に襲い掛かった。そのときの彼女は仮面を被っていたため、当初は正体不明であったが、直後に現れた京の攻撃を受けて仮面が剥がれ、形勢が不利と判断したマチュアは顔を晒す。彼女の仕事は『'95』大会の招待状を彼らに渡すことであった。 その正体はオロチ一族にして、オロチ八傑集の1人であり、バイスも同様である。ルガールの秘書をしていたのは、オロチの力を吸収したルガールの監視を行うためでもあった。『'95』で姿を見せるのは日本チームの公式ストーリーのみでゲーム中には登場していないが、オメガ・ルガールの腕の改造にも携わっている[4]。 『'95』でオロチの力の暴走によってルガールが消滅してから、マチュアは古寺で1人瞑想していた八神庵の許にバイスとともに姿を現す。マチュアはバイスとの同時攻撃を庵に仕掛けるが、庵には全て悟られており、自分たちの衣服の肩口を燃やされた。庵は2人を殺そうとするが、バイスが庵に対して「自分たちと組んで格闘大会『キング・オブ・ファイターズ』に出場して欲しい」という話を持ち掛けた。2人の目的は何なのかを庵が聞くと2人は「庵の力になりたい」と話し、色仕掛けとして彼の体に手を回す。庵はこの話を承諾した。2人が自分の目の前から消えると、庵は彼女らが何者なのかを既に見抜いていたようで、「2人が役に立たないと判断したときは自分の生贄となるだけ」と言って高笑いした。一方、女2人は庵の許から去ってから何者かと連絡を取った。こうして、八神庵、マチュア、バイスの3人は「八神」チームを結成して『KOF'96』(以下『'96』と表記)に出場するに至る。 マチュアとバイスの目的は、八神の祖先である八尺瓊一族のオロチの力への憧憬がきっかけで一族がその血を引いている庵の監視であった。『'96』大会の主催者である神楽ちづるの話から、マチュアとバイスはオロチ一族の者であることを庵は確認する[注 1]。それを知っていてどうしてチームを組んだのかをバイスが庵に聞くと、2人は手駒として利用させてもらっただけと冷静に言い放つ。ほどなくして現れたオロチ四天王の1人であるゲーニッツの姿を見た庵は、これでマチュアとバイスも自分の敵であるという立場を取ろうとする。しかし、既に2人は本来の目的よりも庵自身に興味を抱いており、自分たちはゲーニッツの部下になったつもりはないとして、逆にゲーニッツに歯向かう形となった[注 2]。 ゲーニッツを倒してから、マチュアたちは庵の様子がおかしいことに気付く。庵は「血の暴走」を引き起こしたのである。理性を失った庵を前にした2人はなすすべも無く体を引き裂かれた。『KOF2000』(以下『2000』と表記)の時点ではマチュアもバイスも生死不明であった。『'97』での庵の公式ストーリーでは、バイスとともに彼の夢枕に現れており、その際には裸で地面を這い回っていた。『'96』のエンディング後の扱いは最終的には「死亡」となっていた[6]が『KOF XIII』(以下『XIII』と表記)ではバイスと共に庵の前に姿を現し、右目に眼帯を装着する様になった。ただし庵からは「亡者」と呼ばれ、地の文でも「命を絶ったはずの女」と表現されている。また、『XIII』では京から「封印が解けた途端に出てきやがった」という旨のセリフを言われ、『KOF XIV』(以下『XIV』と表記)ではザナドゥから「(マチュアとバイスの)復活の経緯に興味がある」という旨の言葉を投げかけられており、死から蘇ったことが示唆されている。 『KOF'98』(以下『'98』と表記)にて、バイスとともに再登場を果たした。『'96』のときと同じく、庵、マチュアとの3人で「八神チーム」を組んでいる。嫌いなものに「神楽家」が加わっているが、これは神楽ちづるのことであり、同作の登場キャラクターへのインタビューでの質問の1つ「誰と組みたくないか」では、苦笑しながら「巫女は苦手」という趣旨の回答をしている。ゲーム中でも同作での援護攻撃に関してのキャラクター同士の相性に反映され、ちづるとの相性は最悪に設定されている。一方で大門五郎やブライアン・バトラーとの相性は良い。 『2000』では庵のアナザーストライカーとして登場する。ジャンプ弱キックを出しつつ飛んできて、着地と同時に「ディーサイド」を仕掛けるというもので、「ディーサイド」で吹き飛んだ相手には追撃が可能。同作でストライカーとして登場する際にはマチュアかバイスのどちらかが現れるという仕様になっており、どちらかが登場するかはランダムで決定される。 『'96』から『KOF2002』(以下『2002』と表記)までは黒を基調とし、胴体部分が白く、裾が足元付近まで伸びた独特の衣装を身に纏う。少しだけ強調された胸元を覗かせ(初登場時の『'96』ではそれほど胸元を晒してはいないが、『'98』にてほんのわずかだが強調されるようになった。バイスも同様)、その下にはショートパンツとストッキングを履いており、戦闘中の彼女の動きで裾が翻って脚をしばしばちらつかせる。 『KOF XII』(以下『XII』と表記)では家庭用の追加キャラクターとして参戦する。黒いスーツを身に纏い、右眼には前述の通り眼帯を装着した姿に変更された。眼帯を付ける理由は『XIII』で「右眼の瞼を丸ごと覆い尽くした蛇模様の痣」を隠すためのものである事が判明した。 2016年にPlayStation 4で発売された『XIV』では眼帯を付けておらず、衣装もマイナーチェンジされた(詳細は後述)。 マチュア(Mature)とは、「円熟した」を意味する英語。格闘スタイルは、敏捷な動きと高速の突進技で相手に接近し、手刀で切り刻む闘い方を得意とする。 人物シニヨン[注 3]に整えた金髪に白皙の肌を持ち、気品と色気と冷艶さを漂わせる美女である(初登場の『'96』での挑発ポーズでは艶めかしい喘ぎ声を発している)。物言いはバイスほど粗野ではないが、言葉の端々に冷徹さや残忍さを感じさせるものが多い。 身長は177cmだが踵の高い靴を履いているため、182cmの庵に匹敵するほどの長身である(これはバイスも同様)。「自分の美貌」「自分の脚」を大切なものに挙げており、自分の体付きや容貌について自信を持っている[注 4]。また、嫌いなものの「鳩」については、平和の象徴であることが嫌いな理由であることを述べている[4]。 メイン・プランナーによるキャラクター設定でのイメージは「冷血な女」[9]。 『'96』から『2002』までは、上半身は黒いワイシャツの上に白いベスト、下半身は裾に白いラインが入った黒のロングスカートの下に同色のショートパンツとストッキング、そして、脇にファスナーの付いたレースアップヒールシューズを履いている。スカートは一枚の布状のものを腰中央の数個のボタンで留めているだけであり、大きく開いた隙間から足が覗くようになっている。また、両耳にはそれぞれ長さの異なる白い房飾りの付いたピアスを着用している(右耳:長、左耳:短)。 『XII』家庭版と『XIII』では、衣装が上記のように黒いパンツスーツに変更され(ワイシャツの色は白)、ピアスの飾りは白く細長い雫状となり、長短がバイスと逆になっている(右耳:短、左耳:長)[注 5]。また、エンディングではバイスと揃って目が赤く発光していた。 『XIV』では更に上半身が『2002』以前の衣装のアレンジに変更され、両肩に切れ込みが入り裾がフリル状になった黒いワイシャツの上から白いベストを着用している。また、ピアスは長短が入れ替わり(右耳:長、左耳:短)、材質も青い透明な石に変更された。首には長さの異なる2つのペンダントを重ねて着けている(ペンダントトップはどちらも青い石)。 『CAPCOM VS. SNK』シリーズではマチュア本人は出場していないが、バイスとルガールの対戦前の専用の演出で姿を見せる。 『'98』では対ルガール戦の開始前デモで投げキッスをしながら、やや恭しい敬語で「自分の虜にする」という趣旨の台詞を言い放つ。 当初はルガールの秘書というだけで「ルガールを監視していた」「オロチ八傑集の1人」という設定は、後付けによるものである[9][注 6]。 「風に散る花びら」という異名が『Days of Memories2 〜僕の一番大切な君へ〜』にて使用されている[注 7]。3DCGによるアニメーション作品『THE KING OF FIGHTERS: DESTINY』ではゲーニッツがマチュアに対し、「疾走する残酷な美貌」と呼んでいる(この二つ名は、『'98』以降のマチュアのキャッチコピーでもある)。 ゲーム上の特徴マチュアは攻撃力が低いが、多段ヒットする攻撃と敏捷な動き、そして突進技で相手にまとわりつくように動いてダメージを与えていく技が多い。 技の解説MAX2の「ECSTASY816」を除いた必殺技の名前(「メタルマサカー」や「デスロウ」など)は、実在するバンドから採られている。 通常技の名称は「ザ・キング・オブ・ファイターズ'96 公式ガイドブック for SATURN」に記載されている[12]。なお、通常技のグラフィックは地上・空中ふっ飛ばし攻撃を除いてバイスと共通だが、一部バイスとは異なる技名が付けられている。 通常技
通常投げ・特殊技
必殺技
超必殺技
キャラクター背景家庭用『XII』ディレクターの秦泉寺は、同作以前の衣装は、彼女の魅力である脚を強調すると同時に、彼女の独特な動きを際立たせていたと公式ホームページの中で述べている[13]。 秦泉寺は、『XII』でパンツスーツに変更した理由について「より向上した表現力で、指先まで含めた全身の動きや、スーツの細かいシワ・質感により、「闘う秘書さん」を美しく表現しています。」と説明している[13]。
他のメディアでのマチュア真行寺たつやの『'94』のコミカライズ版では名前こそ出ないが、ユキを誘拐して京達を追い詰めるなど、ルガールの愛人的存在として暗躍していた。だが、当時はオロチ関連の設定が無く、その末路もハイデルンたちに捕らえられるというものになっている。また、違う銘柄のワインを持ってきたメイドをルガールが処刑する姿を見て怯えの色を見せる描写があり、この漫画に登場する彼女は原作ゲームほど残忍ではない。 『コミックゲーメスト』に掲載された、若き日のゲーニッツがルガールの右目を奪う際の顛末を描いた『ゲーニッツ外伝 THE KING OF FIGHTERS'96 ミレニアム・ゼロ』(著:天獅子悦也)[14]では、少女時代のマチュアとバイスがゲーニッツによるルガールの空母急襲に帯同している。ゲーニッツはルガールにオロチの力を与える代償として彼の右目を奪い、オロチの力を受け取るための媒介としてマチュアとバイスを彼に仕えさせている。このときのマチュアはウェーブがかった長髪のブロンドヘアをそのまま下ろし、半袖・無地の白いワンピースを黒い腰紐で結んだだけの簡素な装いに身を包み、目の前で銃撃や爆発が起きても特に反応を示さず無表情のままで感情が欠落したかのような少女として描かれている。 夏元雅人の『キング・オブ・ファイターズ京』(覇王マガジン版)では、バイスとともに八神庵を監視するために登場するが、最後まで庵に倒されるようなことはなかった。また、バイスと共に庵のバンド活動に付き合わされるエピソードもあり、京の通う学校の文化祭に向けてサックスの練習をしている。 鷹岬諒の『ザ・キング・オブ・ファイターズG(ギガ)』では、オロチの長より八神庵の監視を命じられ、バイスとともに草薙京や麻宮アテナ、そして、庵を巻き込んだエディットチーム結成に動くなど物語に重要な役割を演じている。バイスと共に物語全般に渡って暗躍するも、最後は血の暴走を起こした庵によって絶命する。ちなみに、1巻の裏表紙では京チームの一員としてマチュアが描かれているほか、2巻の表紙をマチュアとバイスの二人が飾っている。 2010年にアメリカで製作された実写映画版ではバイスとの同性愛を匂わせる設定。衣装はゲームとは違った黒いドレスを着用し、トンファーを使うなど格闘スタイルも変わっている。 キャスト担当声優
担当俳優
関連人物
脚注注釈
出典
参考文献
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