ポスナーシュロスマン症候群
ポスナーシュロスマン症候群(ポスナーシュロスマンしょうこうぐん、英語: Posner-Schlossman Syndrome)は、1948年に米国のPosner とSchlossman により報告された[1]目の病気の一種。別名:緑内障性毛様体炎発症(英語: glaucomatocyclitic crisis)[2][3]。片方の目に、著しい眼圧上昇を伴った軽微な虹彩毛様体炎が繰り返して発生する。「眼の炎症に続発する緑内障」に分類される[4]が、通常は視野の欠損が伴わないこと、症状が可逆性であることからいわゆる緑内障とは区別される。 特徴著しい眼圧上昇(例えば40〜60mmHg)にもかかわらず眼球痛[5]がそれほどでもないことが多いこと、炎症は軽微なことが特徴。霧視[6]、虹輪視[7]、白目の充血、頭痛を伴うこともある。数時間から数週間で寛解するが、多くは数ヶ月から数年の周期で再発と寛解を繰り返し、10年以上継続することも珍しくない。ほとんどのケースでは20〜50歳。男性に多い。両目に発症することもあるが同時に発作が起こることは稀である。 原因原因は不明。ストレス、疲労、ヘルペスなどの説がある。 予後予後は良好とされ、原著論文[1]のエビデンスでは後遺症を残すことはないとされている。ただし、近年の報告では緑内障へ移行する例もある[8]。したがって、高眼圧の期間をなるべく短くするように注意が必要とされる。 治療点眼薬と内服薬による薬物療法が主な治療となる。点眼薬としてはβ遮断薬によって眼圧を降下させ、ステロイドによって炎症を沈静させる。ただし、人口の30%程度いるとされるステロイドによって眼圧が上昇する体質を持つ患者(ステロイドレスポンダー)[9]に対しては治療薬の選択、投薬期間に十分な注意が必要となる[10]。内服薬としては眼圧降下のために炭酸脱水酵素阻害薬(利尿剤)を用い、その副作用によって流出するカリウムを補うためカリウム製剤を組み合わせる。 眼圧上昇が特に著しい場合は高張浸透圧剤の点滴が行われる。薬物療法に効果がない場合は線維柱帯切除術などの外科手術が適用される。 鑑別が必要な疾患PSSの寛解期には虹彩毛様体炎の所見が全くないというのが一番の鑑別ポイントとされている。[11] 引用元・注釈
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