ホームライナー (JR北海道)

ホームライナー
概要
日本の旗 日本
種類 快速列車
現況 運行中
地域 北海道
運行開始 1985年8月12日
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
運営者 日本国有鉄道(国鉄)
路線
起点 手稲駅
停車地点数 2
終点 札幌駅
営業距離 10.6 km
使用路線 函館本線
車内サービス
クラス 普通車グリーン車
座席 グリーン車指定席(1号車)
普通車指定席(2 - 5号車)
技術
車両 キハ261系気動車
軌間 1,067 mm
電化

※気動車使用のため電気動力不使用、下記は運行区間の電化状態

交流20,000 V・50 Hz
最高速度 120 km/h
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ホームライナーは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が函館本線手稲駅 - 札幌駅間で運行している全車座席指定制快速列車。札幌近郊路線図で使用される記号は、 A[JR北 1]

概要

朝の通勤通学時間帯に、札幌運転所の最寄りである手稲駅から各方面特急列車の始発駅である札幌駅へ回送される特急形車両を用いて運転される。かつては小樽始発の列車や夜間帯に札幌駅から手稲駅へ入庫する列車を使った列車も運転されていたが(後述)、現在は廃止されている。

運行概況

以下特記ない限り、2023年(令和5年)3月18日ダイヤ改正時点での情報を記す。

手稲発札幌行きの3本(1・3・5号、3111D・3113D・3115D)が設定されており、朝7時台半ばから8時台半ばにかけておおむね30分間隔で手稲駅を発車する[1][JR北 2]。途中停車駅は設定されていないが、先行列車の追い抜きはなく、所要時間も同時間帯の普通列車と同等の16-18分である[1]

車両

2023年3月18日現在の編成図[2][JR北 2]
ホームライナー
← 札幌
手稲 →
3号
1 2 3 4 5
G多 (指)
1・5号
1 2 3 4
G多 (指)
全車禁煙
凡例
G=グリーン車指定席
指=普通車指定席
( )=バリアフリー設備設置車
多=多目的室設置車

いずれも札幌駅から特急列車として運用するために札幌運転所を出庫するキハ261系気動車1000番台)を充当する。編成は、3号のみ5両編成、そのほかは4両編成が所定であり、いずれも1号車はグリーン車指定席、そのほかは普通車指定席として設定されている[2][JR北 2]。過去には電車列車に781系785系789系1000番台、気動車列車にキハ183系キハ281系キハ283系などが使用された[3]

料金

手稲駅 - 札幌駅間で有効な乗車券類に普通車指定席料金(530円[注 1])・グリーン車指定席料金(780円)を支払うことで利用可能である[4][JR北 2]

また、「在来線チケットレス座席指定券」を使用することにより、普通車は通常価格の半額、グリーン車は6割引(いずれも端数切捨て)で利用することも可能である[4][JR北 2]

歴史

かつて手稲駅改札内に設置されていたホームライナー乗車整理券の自動券売機

国鉄時代末期の1985年昭和60年)に札幌運転所最寄りの手稲駅と札幌駅を行き来する特急型車両の回送列車を活用して、国鉄では4地区目のライナー列車の運転を開始したのがはじまりである。

その後、朝時間帯に小樽始発の便も設定されるなどしたが、2017年(平成29年)までに、現行の朝に手稲を発車する3本のみの体制となっている。

年表

  • 1985年(昭和60年)8月12日:手稲駅 - 札幌駅間で、平日朝夕に「ホームライナー」の運転を開始[3]
    • この時点では、朝に下り2本・夕夜間帯に上り4本の設定であった。
    • 会員制の団体専用列車とされており、旅客が会員証を提示することにより11枚セットの「特急回数乗車整理券」(1,000円)が発行された。
    • その後、定員制列車(ライナー列車)に衣替えし、乗車整理料金として100円が設定された。これは、2023年(令和5年)に座席指定制になるまで値上げされることはなかった[JR北 2]
  • 1988年(昭和63年)3月13日:小樽始発のの列車を追加。平日運転。
  • 1992年(平成4年)7月1日:同日のダイヤ改正で小樽始発の列車を銭函駅に停車開始[6]
  • 2013年(平成25年)11月1日:同年7月6日に発生した特急「北斗」出火事故に伴う車両使用中止等を受けた運用見直し・ダイヤ修正に伴い、朝時間帯小樽発列車(5107M)の運行を取りやめ、手稲発2本目の列車(旧・5005D)を置き換える形でほぼ同時刻に手稲発の新・5107Mとして運転[5][注 2]
  • 2014年(平成25年)8月1日:朝時間帯小樽発列車を5107Mとして、再度従来と同じ時間帯に新設。手稲発の旧・5107Mは再び5005Dとなる[7][注 3]
  • 2015年(平成26年)3月14日:同日のダイヤ改正で小樽始発の列車(5107M)の運行を取りやめ [JR北 6][8][注 4]。夜間の手稲行き2本は列車番号を変更(3042M→3040M、3046M→3044M)[9][注 5]
  • 2016年(平成27年)3月21日:同日のダイヤ改正で次のように変更[JR北 7][10]
    • 朝時間帯手稲発2本目の札幌行き列車の列車番号を変更(5005D→5D)[注 6]
    • 夜間の札幌発手稲行き上り列車について、21時台1本(3044M)を廃止、残存した20時台1本は列車番号を変更(3040M[8]→2040M[注 7]
  • 2017年(平成28年)3月4日:同日のダイヤ改正で札幌発20時台の手稲行き上り列車1本(2040M)を廃止(上り列車全廃)[JR北 8]。手稲発の下り列車3本のみとなる。
  • 2018年(平成29年):手稲駅に券売機を設置し[JR北 9]、当日分の乗車整理券のみ発売[JR北 2]
    • 大塚 (2011)によると、それ以前の2011年(平成23年)に大塚が取材した際には、手稲駅から乗車の場合はホーム上で駅係員に料金を支払うのみの体制となっており、実質的に定員の制限は無い状態であった[11][注 8]。乗車率が満席近いわけではないため、定員面では大きな問題とはなっていなかったが[11]、長時間ホーム上に料金支払いの待機列が発生していた[JR北 9]
  • 2023年(令和5年)3月18日:同日のダイヤ改正で次のように列車体系・制度を変更[JR北 2]
    • 号数を付与(1・3・5号)。
    • 列車番号をあとで充当の特急列車に準じる番号から独自の番号(31D・5D・4003D[12]→311xD、xは号数)に変更。
    • 定員制(ライナー列車)から全席座席指定制(通常料金は当時の道内の通常の普通・快速列車の普通車指定席料金と同一の530円)に変更。マルス格納の通常の普通・快速列車指定席と同様の扱い(1か月前から予約可能)となった[JR北 2]。併せてえきねっとチケットレス座席指定券のサービスを開始。
    • 従来同一料金で開放していたグリーン車両について、グリーン車指定席の設定を開始(通常料金は道内の通常の普通・快速列車のグリーン車指定席料金と同一)。
    • 平日のみ運転から毎日運転に変更。
  • 2024年(令和6年)8月1日:同日の「北海道旅客鉄道旅客営業規則」改正で、同日乗車分より道内の通常の普通・快速列車のグリーン車指定席料金を、例外扱いであった「エアポート」「ノロッコ」と同一の840円に引き上げたが、「ホームライナー」については530円のまま据え置き[JR北 3][注 9]

脚注

注釈

  1. ^ 座席指定制となった当初は530円がJR北海道の標準的な座席指定料金であったが、2024年(令和6年)8月1日の旅客営業規則改正により、通常の料金を840円とする代わりにホームライナーの料金を例外として据え置いている[JR北 3]。 また、運行区間が重複する快速「エアポート」にも普通車指定席「uシート」が連結されているが、本列車のグリーン車指定席料金よりも高額な840円を座席指定料金としている。 しかし、「ホームライナー」運行時間帯の「エアポート」は函館本線内は全車自由席の普通列車、uシートの指定は札幌駅からの扱いで運行されている[1]
  2. ^ 5005Dの後運用であった「スーパー北斗6号」(5006D)が7月7日以降当面運休となったため[JR北 4]
  3. ^ 同日より使用停止車両が運用に復帰し、5005Dの後運用を「北斗6号」(5006D)として運転を再開したため[JR北 5]
  4. ^ 手稲駅 - 札幌駅間は代替として後続の千歳行き普通列車の運行時間を同時間帯に繰り上げ、もともと普通列車が走行していた時間帯に後続の普通列車(札幌駅から新千歳空港行き快速「エアポート」)を繰り上げ[8]
  5. ^ 前運用の特急列車の列車番号変更に伴うもの。
  6. ^ この改正では「(スーパー)北斗」の列車番号が50xxD(xxは号数)からxxDに変更となっており、5005Dの次運用「北斗6号」が5006Dから6Dとなったことに伴う措置。
  7. ^ この改正まで「スーパーカムイ」は札幌駅発着列車が30xxM(xxは号数)、新千歳空港駅発着列車が20xxMとなっていたが、この改正で新千歳空港発着列車が消滅し、全列車20xxMの付番となったため、3040Mの前運用「スーパーカムイ40号」が2040Mとなったことに伴う措置。
  8. ^ 2011年(平成23年)時点で存在していた札幌駅から手稲駅行き列車に乗車する際は、下車時に手稲駅の駅員に回数券もしくは料金を渡す、小樽始発列車に手稲駅以外から乗車する場合は整理券を券売機にて購入との体制であった。
  9. ^ この時点でJR北海道管内で定期運転されている指定席連結の普通・快速列車は「ホームライナー」のほか「エアポート」のみであり、「エアポート」や「ノロッコ」は2021年(令和3年)4月1日より例外として料金を840円としていたため、実質的な値上げはなかった。

JR北海道

  1. ^ 札幌近郊路線図” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2023年3月18日). 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i ホームライナーが便利に生まれ変わります! ~チケットレスサービス導入でご予約・ご乗車がスムーズに~” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2022年12月16日). 2023年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月23日閲覧。
  3. ^ a b 北海道旅客鉄道株式会社 公告第3号(旅客営業規則の一部改正について〔施行日:令和6年8月1日〕)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2024年6月20日). 2024年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月4日閲覧。
  4. ^ 11月以降のダイヤについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2013年9月20日。オリジナルの2013年9月21日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130921053935/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130920-1.pdf2013年9月21日閲覧 
  5. ^ 183系特急気動車のエンジン付近から出火したインシデントに対する原因と対策及び使用再開について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2014年6月6日。オリジナルの2014年6月6日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140606205123/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140606-1.pdf2014年6月6日閲覧 
  6. ^ 平成27年春ダイヤ改正について” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2014年12月19日). 2023年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月23日閲覧。
  7. ^ 平成28年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年12月18日。オリジナルの2015年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20151218154545/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-3.pdf2015年12月18日閲覧 
  8. ^ 平成29年3月ダイヤ改正について” (PDF). 北海道旅客鉄道. 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月23日閲覧。
  9. ^ a b 手稲駅にホームライナー券売機を設置しました。”. 平成29年度 改善報告|お客様満足(CS)の向上を目指した取り組み. 北海道旅客鉄道. 2023年3月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月23日閲覧。

出典

参考文献

  • 揖, 寛美「JR北海道――7月1日ダイヤ改正の概要」『運転協会誌』第34巻第7号、日本鉄道運転協会、1992年7月、7-9頁、doi:10.11501/28681422023年3月23日閲覧 
  • 御園生, 潤「ホームライナー(会員の広場)」『北海道医報』第1047号、北海道医師会、2005年12月1日、12-13頁、ISSN 0913-02172023年3月24日閲覧 
  • 大塚, 良治「通勤輸送向け着席保証列車の可能性―企業価値向上と利用客の満足度向上の両立に向けて―」『湘北紀要』第32号、湘北短期大学、2011年3月、107-142頁。 
  • 『JR時刻表』2013年12月号、交通新聞社、2013年11月20日。 
  • 『JR時刻表』2014年10月号、交通新聞社、2014年9月20日。 
  • 『JR時刻表』2015年3月号、交通新聞社、2015年2月25日。 
  • 『JR時刻表』2016年4月号、交通新聞社、2016年3月19日。 
  • 『北海道時刻表』第64巻1(通巻757)、交通新聞社、2022年12月20日。 
  • 『北海道時刻表』第64巻3(通巻759)、交通新聞社、2023年2月20日。 

関連項目