ペンタクロロベンゼン
ペンタクロロベンゼン(英: Pentachlorobenzene)は、化学式C6HCl5で表される芳香族有機塩素化合物。ベンゼン環に5つの塩素原子が結合しており、PeCBとも略される。かつては工業的に大規模に使用されたが、そのために環境に影響が生じている[4]。 生成ポリ塩化ビフェニルや染料、難燃剤、抗菌剤などの中間体となる他、農薬や溶剤の不純物として発生する。燃焼過程において、意図せず発生することがある[5][4]。 用途農業用殺菌剤のペンタクロロニトロベンゼン(PCNB)の製造中間体として使用され[3]、また同剤の分解生成物として生じる。現在はPCNBはニトロベンゼンの塩素化によって製造され、PeCBは使用されなくなってきている[4]。ポリ塩化ビフェニルの粘度を下げるため、クロロベンゼンに混合し、添加された[4]。難燃剤としても使用された[3]。 安全性残留性有機汚染物質であり、生物濃縮を起こす[1][4]。このため、2009年の残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約第4回締約国会議により、放出削減が定められた[6]。 条件によっては可燃性で、燃焼により塩化水素などを生じる。水生生物に対し非常に強い毒性を持ち、人体に対しては特に肝臓に影響を及ぼす[7]。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 (化審法) 昭和四十八年 法律百十七号 第二条 2により第一種特定化学物質として指定されている[8] 脚注
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