ベルグマンM1896
ベルグマンM1896(Bergmann Model 1896 Semi Automatic Pistol)はドイツのベルグマン社が1896年に販売した半自動式拳銃(セミオートピストル)である。 概要本銃は自動拳銃の黎明期に発表されたが、商業的にはあまり成功を収めなかった銃である。バリエーションがいくつかあり、内部機構はほぼ同じなので本項ではもっとも一般的なNo.3(後述)をもとに記述する。また一般的にベルグマン・ピストルと呼ばれることもある。 もともとは1894年に開発されたM1894をベースに開発され口径により3つのバリエーションを持つ。設計は機関銃で有名なルイス・シュマイザー(ヒューゴ・シュマイザーの父)の協力によるとされる。内部機構はヒシテイション・ロックと呼ばれる一種の遅延式ブローバックであり、撃発とブローバックのタイミングを遅らせることでリコイルの威力を緩和させ適切な力でブローバックさせるものである。ライフルの機構を片手に持てる程度に縮小することから始まった自動拳銃の開発姿勢のため本銃もモーゼルC96同様トリガーの前にマガジン部を持つが、装填は弾丸の側面も包み込むクリップごと差し込むマンリカ式(マンリヒャー式)を採用している。が、クリップは入れっぱなしにする物ではなく、後端に丸い取っ手が付いていて装填後引き抜くタイプであった(一説には特許問題により装填方式がこうなったと言われる)。引き金の前には固定弾倉があり、右側面の扇形をしたカバーを前方へ回して開き、弾薬をクリップごと弾倉へはめ込み、カバーを閉めると給弾レバーが作用して弾薬を押し上げる。 口径は5mmと6.5mm、8mmがあり弾丸はオリジナルの5mmベルグマン、6.5mmベルグマン、8mmベルグマンを使用する。このカートリッジはボトルネックできついテーパーが付いていた(8mmを除く)。これは排莢をエキストラクターを使わずガス圧で行なうためとされている(後にエキストラクター追加)。装弾数は5発であり、外部ハンマー露出型である。チャンバーとハンマーは離れているため長めのファイアリングピンを持つ。 ベルグマンM1894ベルグマンM1894はドイツのベルグマン社が1894年に販売した自動拳銃である。正式にはベルグマン-シュマイザーM1894と言い、M1896の原型となった銃である。8mmと6.5mmのNo.1は、M1896 No.3、またはM1896 No.4とほぼ同じ外見をしている。エキストラクターが無いモデルのみだったという。5mmのNo.2は折りたたみ式のトリガーを持つM1896 No.2とほぼ同じ外見だが、ボルトにコッキングレバーがつけられている。どちらもボーチャードピストルと同時期に発売されたのだが、世界初の実用拳銃という称号は販売数の差か、ボーチャードピストルに与えられている。 ベルグマン・ベアード本銃は「ベルグマン・ベアード」と呼ばれる事もあるが、それは正確ではない。 正しくは、ベルグマン・ベアードとは、M1896を着脱式弾倉を使用できるように改良した、1901年登場の「マーズピストル」(MARS PISTOL)を原型とし、ベルギーのAEP社(Anciens Establissments Pieper)で製造された軍用自動拳銃のシリーズのことを指す。ベアードの名称は、AEP社が「Bayard」(バヤール=魔法の馬)をトレードマークとしていたことに由来する。 バリエーション
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