プランド・ギビングプランド・ギビング(Planned Giving)とは、寄付者が、遺言を含めて、自分の人生を通じた寄付について計画的に実施すること。米国でシニア層の寄付が進む要因のひとつが、このプランド・ギビング(信託制度を活用した寄付が進みやすくする仕組み。)である。1969年に米国で生まれ、税制上のメリット、特に有価証券や土地の寄付しやすさ、運用益の配当が受けられる制度設計などにより、寄付の促進に大きな貢献をしている。米国の場合、信託残高が約1285億ドル(約12兆円、2008年末)に至っている。 日本では、現在、税制上の制限から、プランド・ギビング型の信託の設計はできないため、より寄付が進みやすい環境を構築するため、「新しい公共」円卓会議の場や、民間非営利団体からの税制改正要望で「日本版プランドギビング信託(特定寄付信託)」の設計要望が出ている。 概要プランド・ギビング先進国の米国では、様々な種類がある。米国の事例では次のようなものである。
その他、チャリタブル・ギフト・アニュイティ(Charitable Gift Annuity):公益寄付年金、プールド・インカム・ファンド(Pooled Income Fund):共同出資収益基金などがある。 日本の現在の制度との違いとメリット米国においては、特にプランド・ギビング制度が持つ税制上の恩恵や生前配当(年金)収入の仕組みは、特に退職後の生活設計上魅力的であり、1980年代以後アメリカなどで信託銀行を中心に、資産運用として積極的にシニア層に勧められた経緯がある。一般に言われているメリットとして、次のようなものがある
日本では、公益信託を設定すると、寄付控除を受けることが可能であるが、次のような制約がある。
プランドギビングではその両方が可能。また、遺言信託においては、寄付先を自由に決められる反面、寄付控除のメリットが存命中に享受できない。 日本でも、2010年度の新しい公共円卓会議で「日本版プランドギビング制度」の創設についての問題提起がなされ、同年3月に公益法人協会からの税制改正要望、同年6月に信託協会からの税制改正要望、及び公益法人協会・日本ファンドレイジング協会・NPO事業サポートセンターの連名による税制改正要望が出されるなど、関心が高まっている。また、2010年8月末に金融庁と文部科学省から財務省への税制改正要望提案として日本版プランドギビングに関連した要望が提出された。 2010年12月の税制改正大綱で日本版プランドギビング信託制度向けの税制優遇措置が採用された。 脚注外部リンク |