フランス航空宇宙軍
フランス航空宇宙軍(フランス語: Armée de l'Air et de l'Espace Française [aʀme də lɛʀ])はフランスの空軍である。1909年に同国陸軍の一部として創設され、1934年には独立し空軍となったが、2020年9月に航空宇宙軍に発展した。 歴史航空隊誕生普仏戦争後、フランスは再度ドイツと交戦準備をしている中で、1909年12月よりフランス陸軍省は軍人に航空訓練を受けさせ始めた。1910年3月に航空軍事訓練所(Établissement Militaire d'Aviation)が設立され、航空機の軍事使用の実験が行われた。同年10月22日に世界初の軍事航空隊(Aéronautique Militaire)が組織された。 第一次世界大戦期第一次世界大戦では、フランスがドイツに対して宣戦布告し、ドイツとの空中戦がたびたび行われた。世界初の空軍パイロットと言われるローラン・ギャロス(Roland Garros)が1915年に飛行機の前面に向けて設置したマシンガンで機銃掃射を行う手法を導入した。 戦間期の1934年7月2日にフランス陸軍の元から「空軍(Armée de l'Air)」組織が独立した。 第二次世界大戦期フランス本国第二次世界大戦では当初よりフランス政府内での意見が対立し、強固な国防軍を組織することが出来ず、ドイツに対して敗戦を喫した(ナチス・ドイツのフランス侵攻)。 ドイツの承認する占領下のヴィシー政権は空軍組織の解散を指示したが、駐アフリカ空軍は戦闘を継続、レジスタンス運動の様相となった。その後ヴィシー政権はフランス空軍を引き継ぎ、ヴィシー空軍(Armée de l'air de Vichy)を設立。この空軍は北アフリカや中東において連合国軍と交戦した後、1942年12月にドイツにより解体された。 一方、シャルル・ド・ゴールの提唱する自由フランス軍(Forces Françaises Libres、FFL)としてロレーヌ十字をシンボルにしたレジスタンス運動は、1942年11月に英米軍の援助の元、北アフリカにて自由フランス空軍(Forces aériennes françaises libres (FAFL))を組織し、終戦まで活動した。 仏領インドシナ仏領インドシナでのフランス空軍も、1940年6月に大東亜共栄圏を提唱した大日本帝国がトンキン湾まで艦艇を進めて対峙して以降戦闘に入った。1940年9月に日本軍がハイフォンに上陸し、シャム空軍(日本人パイロットによる攻撃機)として攻撃を開始、フランス側も健闘したが敗北し、現在のラオス及びカンボジアにあたる地域をシャムに明け渡した。枢軸国側で第二次世界大戦に参戦したタイ王国との戦闘以外アジアでの目立った活動は無かったが、以後ベトナムでの日本軍との協調した状態で二重駐屯が続いた。 その後1945年3月の日本軍撤退までこの地域のフランス空軍は燃料不足や制空権の喪失により航空機を放置した。 第一次インドシナ戦争最中の1954年のディエンビエンフーの戦いでの敗北の後、フランス空軍はすべてのフランス権益とともにインドシナから撤退した。 第二次大戦後北アフリカに残していたフランス領アルジェリア、モロッコ、チュニジアでも、1950年代に混乱に入った。フランス空軍はヘリコプター部隊を初めて使用。その後混戦が続き戦費支出がかさんだため、ド・ゴール首相(当時)は民族自決を支持し、アルジェリア戦争は終了した。このほか、第二次中東戦争でも軍事介入したが国際世論の非難により撤退を余儀なくされた。 また、1960年代からはフランス独自の核戦力運用のために核兵器運搬手段の一翼を担い、核攻撃能力を持つミラージュIVやミラージュ2000Nの運用が行われてきた。 現在に至るまで、フランスの植民地時代以来の権益や安全保障に関わりが深いアフリカ・中近東への軍事介入に度々投入されている。チャドにおいては、チャド政府軍を支援するため大規模な飛行隊が派遣され、侵攻してきたリビア軍に対しての対地攻撃・近接航空支援任務に従事した。 1991年の湾岸戦争では、多国籍軍の一部としてサウジアラビアに展開し、イラク攻撃に参加した。2011年にはリビア内戦に参戦し、米英とともにカダフィ政権側を空爆した。2015年にはパリ同時多発テロへの報復として、シリア内戦に乗じて勢力を広げるISILを攻撃した。 2020年9月、航空宇宙軍に発展改組(正式名称は Armée de l'Air et de l'Espace)。 組織フランス航空宇宙軍は国防規則に基づき、航空宇宙軍参謀本部、実施部隊、空軍基地、人事局および役務の5つに区分される。2007年時点で現役63,600人、文民職員5,700人、予備役4,300人[6]。 学校
基地フランス航空宇宙軍では以下に示す規則に従い基地に番号を付与し運用形態を明示している。
2008年1月1日からフランス航空宇宙軍は能力向上を目的とした「空軍2010」と呼称される包括的変革事業に着手する。この事業は特に、北部航空管区(RAN)と南部航空管区(SHORT)を廃止し中核機関に集約させ空軍基地支援機能を保証するため2000年6月30日に作成されている。 本土
海外および国外
装備固定翼機
回転翼機
無人機
ミサイル
階級
フランス航空宇宙軍では、上記の階級のみならず軍医、歯科医、獣医および薬剤師などの衛生職、従軍宗教職のほか航空宇宙軍警察(fr:Commissariat de l'air)がある。 脚注出典
外部リンク
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